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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/18
2005/1/26更新
ヘッド、シャフトの次ぎはグリップ。世界初の
二重構造設計も登場した開発アイデア競争
 リシャフトブームといわれる中で、1本数万円もする高価なシャフトが相変わらず売れている一方で、工賃を含めても1000円前後でできるプチチューンナップが密かなブームとなっている。

 オフシーズンを迎えたこの時期は、グリップ交換のためにマイクラブをショップに持ち込むゴルファーが増える。ほとんどのゴルファーは、消耗して滑りやすくなったグリップを新しくして、フィーリングを元通りにすることを目的にしている。だが、もう一歩踏み込んで、性能を維持するだけでなく、性能を上げるための積極的なチューンナップ法としてグリップ交換を活用しているゴルファーも増えているようだ。

 派手なカラーリングが施され、飛びや方向性など高性能ぶりを声高らかにアピールするシャフトに比べ、グリップの場合はコマーシャルひとつとってもいささか地味である。絶対的な性能よりも、太さや握った感触など最終的な判断は個人の好みに委ねられるらめ、ことさら性能差が問題にされてこなかったのもその理由と考えられる。一般的な感覚でいえば、グリップを選ぶ際の基準といえば、滑り止めのためのコードが入っているかいないか、バックラインがあるかないかくらいで、カラーグリップが流行しているとはいえ、正直言って違いが分かりにくいのも事実。

 しかし、見分けのつきにくいグリップも確実に進化している。グリップの性能を決めるのは、素材、シート形状、表面のパターンの3つ。黒いゴムの固まりにしか見えないグリップだが、素材は、ゴム、樹脂、プラスチック系と様々で、高分子化学分野のハイテク技術が詰め込まれており、水面下では激しい開発競争が行われている。米国のウィングリップは、テニスラケット用グリップメーカーから、1995年にゴルフ用に参入した後発組だが、ラバーの1.4倍の密着力を持つ独自開発素材エラストムを採用し、短期間の内にアフターマーケットで大きなシェアを獲得している。日本国内のプロショップで圧倒的に指名が多いのは、米ツアーで人気が高いツアーベルベット。タイガー・ウッズや丸山茂樹と同じものを装着したいというゴルファーは多い。日本では、長らくグリップ力に優れ、高温多湿な気候に向くとされていたコード入りタイプが主流だったが、近年はツアーベルベットに限らず、より軟らかなフィーイングが得られるラバータイプがほとんどを占めるようになった。

 そして、最近では、フィーリング、グリップ力、耐久性というグリップに求められる性能を合わせ持つアイデアグリップが次々に登場している。2004年はじめにプレシジョンから発売されたクォーターコードは、その名の通り、全体の4分の1だけにコードが配されている。握るときにとくにグリップ力が必要とされる左手裏側にコードを配し、残りの部分はソフトなラバーグリップの良さを生かしたグリップだ。また、グリップ初といわれるツーピース構造で登場したのはゴルフプライドのDDMグリップ。内側にしっかりとしたフィーリングを生む硬めのゴム材、外側にはしっとりした感触の軟らかめのゴム材を用いて、ゆるみのないグリップ感を持たせているのが特徴だ。さらに、ウィンググリップが満を持して送り出したのが、ツーピース構造と2種類のパターンを採用したダブルフィッターだ。摩耗しやすい親指接触部分のパターンを強度のあるパターンに、グリップ力の必要な手のひら部分をよりソフトなパターンとし、ソフトフィーリングとグリップ力を両立させている。また、ツーピース構造により衝撃吸収性が高くなっており、「ひじや肩、腰などへの負担を減らしている」(輸入元ブロッサム広報担当/久永奈保美さん)というのもメーカーのうたい文句だ。

 これら高機能を持つアイデアグリップは、アフターマーケットで「クォーターコードとDDMグリップが一番人気。発売間もないダブルフィッターも問い合わせは多い」(ゴルフ工房ファーストグリーン/大野雅広店長)と人気が高く、これまでグリップ交換に関心のなかった層も取り込み、プチチューンナップブームの火付け役となっている。

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