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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/14
2004年更新
レジャー白書、日経調査等で明るい結果が
続々、日本のゴルフ場業界は好転したのか?
 バブル崩壊以降、今年当たりから、ようやく回復の兆しが見え始めてきた日本経済。それに歩調を合わせるかのように、低迷が続いているゴルフ場業界も、各種の調査結果からは“再生”の兆しが見え始めているようなのだが……。

 まず、先ごろ(財)社会経済生産性より発表された「2004レジャー白書」によると、平成15年のゴルフ場市場は前年比4パーセント減の1兆2970億円で、10年連続のマイナス成長となったものの、同年に1回以上プレーしたゴルファー人口は1080万人で、これは前年比40万人増と下げ止まった格好に。

 さらにゴルファーひとり当たりの年間平均プレー回数は13.5回と、ここ9年でもっとも多く、熱心なゴルファーが増えたことを示している。しかし、ゴルフ人口、プレー回数が増えながら売上げが落ちたのは、単に価格競争の末、客単価が下がった証拠にすぎないと考えられ、手放しで喜べる調査結果とは言い難い。

 続いては、先週発表された、日本経済新聞社による「第十回ゴルフ場主要512コース調査」(アンケート方式で232コースが回答)だが、そこには明るい兆しを匂わせる数字がいくつか並んだ。

 レジャー白書のデータを裏付けるかのように、平成15年度の1コース(18H換算)当たりの平均来場者数は4万5559人で、前年度比1.1パーセントと僅かながらアップ。しかし、同時に1コース当たりの平均売上高は6億6923万円と前年度比3.4パーセント減となっていることからすると、先述の低料金化によって入場者が増えたという傾向が改めて証明されている。

 8月24日付の日経本紙には、その調査結果を受け、“ゴルフ場、過半が最終黒字”の大見出しのもと、平成15年度、最終損益で黒字となったゴルフ場は54.7パーセント(同赤字は27.6パーセント)で、3年ぶりに過半数を回復したとしている。ゴルフ場運営面からの収益ベースで見れば、ゴルフ場業界の経営改善が進んでおり、それには人件費等のコスト削減が大きく寄与していると紹介している。

 はたして実際、ゴルフ場業界は好転したのだろうか? 日本ゴルフ場総合研究所の専務理事、降旗貞夫氏は「そもそも日経の調査は、アンケートに答えたゴルフ場のほとんどが比較的グレードの高い、まだコスト削減の余地が残っていたコース。その効果が昨年当たりに顕著になってきたということでしょう。実態は、営業ベースで黒字なのは全コース中せいぜい4割程度と見ています。そして、これまでの倒産はほとんどが預託金返還請求が原因でしたが、今年から来年にかけ、赤字の累積による資金繰り倒産が20~30コースは出ると見ています」とかなり厳しい見方をする。

 それでも「私どもの調査では平成13年には黒字のコースは約1割でした。その数字面だけを見れば、たしかに改善されたとも言えなくもありませんが」と締めくくってくれた。

 この日経の調査結果によると、今年度、売上げが増えると見込んでいるところは50.4パーセントと半数を超え、80.7パーセントが黒字となる見通しを立てている。

 実際、弊社刊「ゴルフ場セミナー」の入場者アンケートでも、すでに今年上半期の1コース(18H換算)当たりの入場者数は、暖冬の影響もあったが、対前年同期比で実に11.8パーセント増の1万7779人としている。この夏の猛暑の影響が気になるところだが、ゴルフ場関係者によると、去年の夏の長雨よりはまだ今年の猛暑のほうがお客が入ったとの声も聞かれた。

 プレー料金の値下げで入場者を増やすにはすでに限界に近づいているとの見方もある。また、他業種に比べると、まだまだリストラ、コスト削減の余地があるとはいえ、それも限界がある。結局、ゴルフ人口が増え、リピーター率が上がらないと健全な成長とはならないだろう。

 各種レポートの数字を見ても、まだまだ好転とまでは言えるかどうか疑問だが、どうやら下げ止まりの兆候が見え始めたとは言ってもいい?

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