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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/25号
2004年更新
全英オープンが賞金増、ポンド高も手伝い
総額715万ドルは4大メジャーでも最高
 円高なら、ゴルフ用品を販売するメーカーなどにとっては、影響があるのかもしれないが、ドル安・ユーロ高といっても、さほどゴルフには、影響がないようにも思える。が、さにあらず、ユーロに引きずられた形のポンド高が、ここに来て米ゴルフ界で注目を集めている。

 実は、日本の連休直前にR&Aが、全英オープンの賞金総額引き上げを発表した。

「私たちはインフレに対応して、賞金総額を引き上げることにした。これで全英オープンの高い競技性を維持することができると思う」と語るのは、R&Aチーフエクゼクティブのピーター・ドーソン氏。値上がりしたのは、昨年の390万ポンドから400万ポンドのわずか10万ポンドだが、昨今のポンド高により、確実にメジャーの中では最高賞金額となりそうだ。

 もっとも、全英オープンが開催される7月までに、イラク戦争が終結して、ドル高が進んだり、ポンド安にでもなれば話も変わってくるのだろうが、ドル建てで考えると、昨年7月には、1ポンド1.57ドルだったものが、4月末の時点で、1ポンド1.7867ドルにまで、上がっているのだ。具体的にいえば、昨年の賞金総額は、ドル換算で612.3万ドル。今年は10万ポンドを加えて、一気に715.48万ドルと17パーセント近くもアップしている計算になる。

 円換算だと、昨年7月は1ドル120円で円安だったことから、賞金総額は7億3476万円だったものが、現在の相場で7億8516万円へと約7パーセントの上昇に過ぎないが、世界のトッププレーヤーの大半が、アメリカに住居を持ち、ドルで賞金の計算をしていることを考えると、このポンド高は、無視できないといえるだろう。

「俺は雨の中でもプレーはできるし、風の中、寒さの中でもプレーはできる。しかし、この3条件のうち、2つ以上が重なると、まともなプレーができなくなる」という名言(迷言)を吐いて、全英嫌いを公言して憚らないスコット・ホークなども、今年の全英には、出場の意向を示しているというから、このポンド高が影響を与えたのかもしれない。なにしろ全英に優勝すれば128万ドル強、約1億4000万円の大金が手にできるのだ。もちろん、米ツアーの賞金ランクにも加算されるため、たとえ優勝できなくても少しでも賞金ランクを上げるために全英オープンは無視できないというわけだ。

 ちなみに昨年の実績でいえば、他の3メジャーの優勝賞金は各600万ドル(マスターズは今年50万ドル増)。ワールドゴルフ選手権3試合の賞金は各700万ドルで、全英が最高額となる。

 ただ、3月開催のプレーヤーズ選手権は、今年、賞金総額をなんと150万ドルアップさせて、800万ドルとしているが、これについては、米ツアーが「第5のメジャー」と自ら格付け、伝統がない分、他のメジャーよりも高額な賞金を売り物にしているだけに、ポンド高の全英の賞金を意識して、今年は大幅なアップに踏み切ったのかもしれない。

 国内ツアーを振りかえってみると、もっとも高額なダンロップフェニックスの賞金総額が2億円(優勝4000万円)。残りの試合のほとんどは、賞金総額が全英オープンの優勝賞金以下という水準になってしまっている。かつて、バブルの時代には、円高で、日本の賞金も米ツアーと変わらない、なんて時代もあったのだが……。

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