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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/27号
2003年更新
今季米女子ツアーでは昨年以上の韓国旋風!
優勝3人、ほとんどの試合でV争いに絡む
 女子プロゴルフ界では、日本でも先月、イ・チヒが2週連続優勝を挙げるなど韓国勢の台頭が目立っているが、アメリカでは日本にも増して、さらに昨年にも増して“キムチパワー”が爆発しているのだ。

 そういえば、13歳の天才アマチュア少女、ミッシェル・ウィーちゃんの大好物もキムチシチューだそうだが、米女子ツアーではここ2週連続で、韓国勢(パク・セリとグレース・パーク)が勝っている。また、3週前の武富士クラシックでは、優勝こそ台湾のキャンディ・クンだったが、2位に韓国のスー・ユン・カン、5位にハン・ヒー・ウォン、その前週もパク・セリが2位、トップ10にジェオン・ジャン、キム・ミヒョンの2人が入っている。

 また、3月のピン・ウェルチでは、なんとパク・セリ、グレース・パーク、ハン・ヒー・ウォンが、1、2、3位を独占するなど、まさに“韓国パワー”が米LPGAを席巻している。つまり、今年の米女子ツアーでは、これまで7試合中、韓国人選手が3勝しているが、その他のほとんどの試合でも、韓国選手が優勝争いに加わっているという展開なのだ。

 5月10日時点の賞金ランクでも、2位にパク・セリ、3位にグレース・パーク、10位にハン・ヒー・ウォンとトップ10に3名の韓国人選手が名を連ねているほか、トップ30には6名、トップ50には9名いる。これに、日本の福嶋晃子(33位)や台湾人選手を加えると、トップ50にアジア人選手だけで12名いることになるのだ。

 逆に、賞金ランクのトップ10にいるアメリカ人は、クリスティ・カーとアジアの血を引くパット・ハーストの2人だけ。今年はまだ優勝はなしで、昨年8月のメグ・マローン以来、なんと17試合連続で、外国人選手が優勝している状況だ。それだけに、アメリカでは韓国勢の活躍というよりも、外国人選手に米ツアーが乗っ取られている、といった印象を与えている。

 LPGAのT・ボォトウ・コミッショナーに言わせると「今の状態は米ツアーがグローバルなツアーになっている証拠で、最強の選手たちが、LPGAツアーに集まっている結果」と苦し紛れにも聞こえる自画自賛ををするが、その一方で、周辺からは米国女子ゴルフの弱体化を嘆く声も聞こえてくる。

 米GOLF WORLD誌の著名ゴルフジャーナリストのR・シラク氏などは「スウェーデンをはじめ、ノルウェーやオーストラリアには、財源豊かで、組織化された若者のためのスポーツプログラムがあるし、韓国では5年前のパク・セリの活躍で、ゴルフが少女たちにとっての職業選択のひとつになった。アメリカでも(若者たち、とくに少女たちに)スカラシップでも何でも与え、パブリックでもプライベートコースで無料でプレーできるようにすべきだし、それがアマチュア規定に引っかかるようなら、その規定を改正すればよい」などという記事まで掲載しているほどだ。

 米国人選手の優勝回数を年度別に見ると、99年で15勝、00年には12勝、01年には10勝、昨年は5勝。今年は前述のように、まだ勝ち星がなく、年々落ち込みを見せているのだから、危機感が高まるのも無理はない。

 アメリカは移民の国だけに、外国人選手に対しては、さほどの抵抗がないようで、TV視聴率なども、まだ、大きな落ち込みは見せていない。むしろ、LPGAなどは、スポンサー探しをアメリカ企業に限らず、世界中で探すことができるようになりつつあり、マーケティングがしやすくなったと喜んでいるという話もあるほど。

 しかし、これまではソレンスタムやK・ウェブなど、外国人といっても白人選手で、米国選手との見分けがつかなかったが、こうアジア系の顔ぶれが増えると、今後はどうなるのか? ちょっと気になるところだ。

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