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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/6・13号
2003年更新
今年から採用の女子ハンディシステムだが
関東地区は未だ大半のコースが不採用の背景
 日本ゴルフ協会(JGA)では、今年から女子ハンディキャップ(以下HC)制度の導入を加盟各ゴルフ場に奨励している。ところが、現状を調べると、この制度導入は地区によって非常にマチマチの状態なのだ。

 JGAのHC制度は、これまで基本的に男性の査定委員が実際にラウンドし、それに様々なコース要素を考慮し算出したコースレートを基準にしていた。簡単にいえば、男子の飛距離を基準にした制度で女子のHCも同じ基準で算出されてきた。しかし、飛距離の差は如何ともしがたいため、例えば同じ日本アマと日本女子アマでも、出場選手の平均HCを比べれば女子のほうが多い。そこから、日本の女子ゴルフは男子ゴルフに比べて、レベルが低いという印象を与えることにもなっていた。また、アマチュアのひとつの目標であるシングルHCのハードルも相対的に女性には高くなる。

 一方、海外のほとんどの国では女子コースレートをもとにした女子独自のHCが採用されているため、相対的に日本女子のHCは多めとなる。そこで、女子が海外でプレーする際に申請する国際HCは、例えばHC20のプレーヤーなら3~4下げるといった調整をする必要があるなど、弊害が指摘されていた。

 そのため、JGAでは11年前からHC委員会を中心に女子HCの研究を開始。米国などの基準を参考に、女子コースレートの査定方法を決定、今年から導入を始めたが、まだかなりのコースが女子コースレートの査定を行っていないのが現状だ。

 そこで各地区連盟に問い合わせると、関東と中部を除く6地区連盟は、ほぼすべてのコースが図面上での机上査定で、コースレートを取得していた。なかでも積極的なのは関西ゴルフ連盟で「昨年3月までに全ゴルフ場の査定を終了。今年から連盟の女子競技はすべて女子HCで実施します」(同事務局)

 一方、中部ゴルフ連盟は加盟223コースのうち、まだ半分の110余。というのも、ここは査定員が実際にラウンドする実査定を採用しているからだ。残るは、約500ものゴルフ場が加盟する関東ゴルフ連盟だが、査定を申請して取得した所はなんとまだ23コース。

「他の連盟はわかりませんが、私どもではこの制度は各クラブの運営上の問題と考え、査定申請はそれぞれ任せていますから……」(関東ゴルフ連盟)

 そこでゴルフ場に話を聞いた。「JGAの話を聞くと、確かに女子HCの必要性は理解できますが、導入が簡単にできない事情があるんです」と語る。

 まずは、申請するのに様々なコストがかかること。実査定には20~30万円もの経費を連盟に支払わなければならない。机上査定は無料だが、改造を行ったコースは、提出する図面を作り直さなければならない。

「古いコースの中には、再測量を行う必要があり、少なくても30~40万円もの経費がかかるそうです。直接営業に結びつかないことに、今の時代そんな大金払えませんよ」と先のゴルフ場。

 また、クラブ側が男性社会であることも障害との声もある。「女性のHC委員がいるクラブはほとんどないため、制度の必要性をなかなか理事会に理解してもらえないんです」とJGAの女性関係者。それゆえ女子HCの浸透には強力なリーダーシップによる推進が必要なのだが、「残念なことに関東の名門コースには、従来の男女同一のHC制度でいいとお考えの方がいるようで……」と残念がる。

 とはいえJGAでは05年からは主催女子競技はすべて女子HCが基準になる。残る1年半、関東の各コースでは慌しい対応を強いられることになりそうだ。

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