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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/28号
2003年更新
高齢会員の退会や休眠会員化防止対策
富士Cがコースでの健康チェック導入へ
 高齢化時代のクラブ運営のひとつのあり方といえるだろう。会員を対象に健康診断を含んだ総合的な健康サポートサービスを実施するゴルフ場が現れた。

 国内で25コースを展開、全6万人の会員を擁する富士カントリーグループでは、03年度中に会員向けの「ヘルスサポートサービス事業」を実施する。クラブハウス内に血圧、心拍数、有酸素係数などを測定する機器を設置。そのデータを外部の提携医療機関に送信し、そこで診断する健康管理システムを構築する。いずれはモニターカメラ付きカメラを通して医師と直接問診、相談までできるようにしたいという。さらに、ハウス内で健康増進を目的とした健康講座を開催。また、健康相談を通し、各自に応じた食材や食品の提供を行う予定だ。

「当社ではこれまでも、単にゴルフプレーを提供するのでなく、充実したクラブライフの提供や地域コミュニティへの貢献を模索してきました。このサービスもその一環で、高齢化が進む会員にとって有意義なクラブ運営のひとつとして提案したい」(同社広報担当者)

「健康のためのゴルフ」とはよく言われるが、こちらは「健康のためのゴルフ場」。有効に活用されれば、ゴルフは二の次でゴルフ場に通う熟年や老人が現われることになりそうだ。

 もちろん、このサービスの背景には、会員の高齢化に従い増えつつある休眠会員化や退会を防ぐ目的がある。実は同グループでも、多くのコースで会員の平均年齢が50代後半に達し、ここらで熟年層にとって魅力あるサービスを提案しなければ、会員離れはますます深刻になる。「最初は4~5コースで実施する予定で、準備が整った段階で会員の皆さんに告知します。いい反応を期待していますが、どうなるでしょうか」と同社広報部では、国内初の事業に多少不安を感じながらの船出となる。

 ところで、健康チェックや健康相談を行うゴルフ場といえば、静岡県の富士ヘルス&CCがその先駆者で、すでに30年近い歴史を誇る。同ハウスでは、常時看護婦が健康相談等に応じるクリニックを運営。週末には、都内の提携病院から医師が派遣され、健康保険適用の民間病院になる(一般の診療も行う)。ユニークなのが心電図の診断。携帯の心電図測定器を着けてラウンドすることができるのだ。そのため、普通は捉えられない不整脈も正確にキャッチできる。

「今では、会員だけではなく、地元の方にもすっかり頼りにされる病院になりました」(東城弘泰総支配人)

 これからの高齢化時代、こうした健康サポートはゴルフ場活性化策として注目され、今後も増えるのだろうか?

「若い世代を呼び込み活性化させたいという相談はありますが、熟年向けの相談はほとんどありません。まだレアな動向ですが、確かに有効なサービスになり得ます。実際の運用に注目したいですね」(ゴルフ場運営のアドバイザー・菊地英樹氏)

 元気な老人が集うゴルフ場というのも悪くはない。楽しげにゴルフをプレーする様は後輩の励みにもなる。是非成功してほしい新サービスといえそうだ。

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