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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/12号
2002年更新
8月からコクドの経営になった川奈
乗用セルフカートの導入で身近な存在に
 名門・川奈ホテルが、大きく変わろうとしている。10月12日には大島コースに2人乗り40台のカートが登場、セルフプレーで料金も安くなり、客の反応も上々とか。75年の伝統を誇る日本を代表するリゾートコースが、新たな歴史を踏み出した。

 経営破綻に陥った(株)川奈ホテルが、民事再生法申請をしたのは今年5月21日のこと。再生計画は川奈ホテルの名称、運営システムなどの引継ぎを条件に西武系列の(株)コクドに220億円で譲渡、会員ら一般債権者には7パーセントの弁済率という内容だった。

 これに基づき8月1日には、コクドへの譲渡を裁判所が認可。コクドでは同名の新会社(株)川奈ホテルを設立、完全なパブリック運営へと移行。再生計画では従来会員のプレー権を一切引き継がない方針だったため、一部会員が反発する動きもあったが、10月16日の債権者集会では96パーセントの圧倒的多数で、旧会社・(株)川奈ホテルの再生計画が可決、認可されている。

 川奈ホテルの再生は、完全パブリック制への移行が大きな柱。大島コース限定とはいえ開場以来初の乗用カートの導入はその一貫。8月に譲渡を受けたコクドでは、19日から大島コースをクローズ、約1億円をかけ乗用カート導入、工事に着手、10月12日にリニューアルオープンした。

 新会社の社長(兼総支配人)には、コクドの取締役で、同系列コースの箱根地区の総支配人だった丸山貴生氏が就任。「ゴルフコースは、稼働率目標を従来の20パーセントから40パーセントに引き上げたい、ゴルフのイメージだけでなく、ゴルフ以外の川奈も楽しんで頂ける、新しい時代のリゾートを目指す」と意欲を燃やす。

 川奈は、「一度はプレーしたいゴルフコース」として、人気面で常にトップを走ってきたが、稼働率20パーセントの現実が示すように、宿泊者限定の運営、高料金もあり、潜在需要を掘り起こせないでいた。実際、4年前から大島コースに限り、宿泊しなくてもプレーを認めてきたが、あまり知られていなかった。

 さて今回、大島コースに乗用カートを導入、完全セルフプレーに切り換えたことで、より川奈が身近になった。値下げではないが、キャディフィ(4500円)とカートフィ(2500円)の差額分が安くなった。ちなみに平日2万50円、土日・祝日2万7050円の基本プレーフィは従来通り。また12月27日まで、いずれも平日を対象に大島コースでは「日帰りプラン」(昼食込み2万円)、「宿泊プラン」(1泊込み3万円)、さらに1泊昼食つきで大島と富士両コースでプレーできる「ゴルフ三昧」(5万9000円)のプランも用意した。

 カート導入で、とくに土日の予約状況が良好で、コクド広報部では目標の稼働率40パーセントにも自信をのぞかせている。来年5月のフジサンケイ後の6月からホテル改修にも着手する予定で、温泉を使った施設など新設も検討されているようだ。ただし、今後も富士コースについては、宿泊者限定の運営の変更、またカート導入は考えてないという。

 大衆化を危惧する声もあるが、新時代に合ったリゾート文化を建設することも、日本を代表するリゾート、川奈の使命だろう。

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