ゴルフダイジェスト出版案内> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/3号
2002年更新
今年の本番はQT? 盛り上がり今イチの
女子プロテストだがトップの佐々木は有望
 組織を二分化、今月末には全国3カ所で初のクオリファイトーナメント(QT)を開催する日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が6~8日、従来通りのプロテストを行なった。トップは7アンダー、合格ラインは3オーバーという好スコアの展開で、一昨年の日本女子アマ覇者・紫垣綾花ら21人の女子プロが誕生したが、例年に比べ何とも地味なプロテストになった。

 古閑美保、片山真里ら話題選手の豊富だった昨年に比べ、今回の受験生には“初受験の大物”がいなかった。服部道子、福嶋晃子、最近で言えば東尾理子が受験した年などは、30社以上のマスコミがコースに押しかけ、世間からの注目度も高かった女子プロテスト。今回の目玉だった紫垣や有藤姉妹も、今ひとつインパクトに欠け、競技初日時点での速報取材陣はスポーツ紙2社と紫垣の所属会社・熊本テレビ、北海道出身選手を追う地元紙の4社のみ。トップ選手の記者会見は選手1人に記者2人という淋しい光景となった。

 この“閑散としたテスト会場”の、もっとも大きな背景は今年からのQT開催だ。LPGAは今年から組織をツアー部門とインストラクター部門に二分割、来年度ツアーからはプロ資格がなくてもQTに通ればツアーメンバーになれる。そのための3段階のQTが今月末から始まるため、このプロテストに落ちてもファーストQTに通れば、テスト合格者同様にセカンドQTに挑戦できる仕組みになっているのだ。

 管轄団体が別になった国内男子ツアーの場合は仕方ないとしても、このLPGA内の重複したシステムが、マスコミを筆頭とする周囲に「ということは今後のプロテストは単なる資格認定で、ツアーと直結する命綱ではなくなるのか?」と、プロテストへの興味、関心をなくさせてしまったのだろう。もちろん、今回のテスト受験者の大半はファーストQTにもエントリー。

もしここでダメでもQTで頑張ればツアーに出られる……」という二重構造が、受験生たちの“年に一度のプロテスト”への切迫感を激減させ、昨年までとはやや様子の違うテスト会場の雰囲気が出来上がった、というわけである。

 とはいえ、合格した21人の新人プロには、期待できそうな人材も多い。初日66、最終日66と、3日間のうち2度もプロテスト最少ストローク記録タイを出してトップ通過した佐々木慶子は、東尾理子、肥後かおり、日吉久美子らを育てた増田哲仁コーチが「秘密兵器」と推す秘蔵っ子。神奈川出身、札幌日大高校卒の25歳で、飛距離も十分、1ラウンドに7つ、8つのバーディを奪う爆発力を持つだけに、9月の日本女子プロ選手権でのデビュー、またその後の闘いぶりが楽しみだ。

 その佐々木と同スコア、トップ通過ながら最終日のスコアで負けてトップ合格者の特権、今季8試合の出場権獲得を逸した韓国出身のファン・ヨンソンも実力十分。クラブヘッドを巧く使うスウィングは、テスト会場で見守る関係者らを唸らせた。また現在、九州東海大2年在学中だが、このプロテスト合格で中退する見込みの強い紫垣に対して、現在3年在学中で立命館大卒業を宣言する永井奈都も話題となりそうだ。

「今年頑張って単位を確保すれば、来年のノルマは週一回ゼミだけになる予定なので両立できると考えています」と言う。今季中に1試合のみ許されている主催者推薦によるツアー出場が叶った際には「金曜は選択している授業がないので、ぶっつけ本番で?」臨む覚悟もあるとか。

 東妻茜、西川みさと、北田瑠衣ら、アマチュア時代に輝かしい戦歴を持つ選手もそろう74期生。目立たないプロテストで生まれた彼女たちが、案外、早い時期に目立つ存在となる可能性もありそうだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト
ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です