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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/5号
2002年更新
樋口久子現会長の続投で穏やかに見えた
女子プロ協会の役員改選だが、実状は……
 2月7日、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の定期総会が行なわれ、98年12月以来3年ぶりに理事、会長、副会長が改選された。結果は大方の予想通り、樋口(久子=現会長)政権の三期目突入となったが、その過程では一悶着あったようだ。

 今年から組織の二分化を図り、トーナメント部門(TPD)ではアマチュアも参加できるクォリファイイングトーナメント(QT)を実施する同協会。その歴史の大きな変化の時期に、内部は大きく揺れていたのだ。

 昨年末、日本女子プロ選手権に関する契約を理事会審議せずに行なったとして、小林法子元事業委員長、樋口会長に非難が集まり、小林が選手権実行委員長を更迭される事件が勃発。これを機に、以前より協会運営の実権を握ってきた“樋口---小林ライン”に批判的だった清元登子副会長を中心とするグループが“小林を理事から下ろし、岡本新政権を誕生させる”という選挙活動を実施。総会日(選挙当日)も、清元派からは樋口、小林を外した新理事推薦リストが会員の多くに配られていた。

 一方、それに対抗するはずの樋口グループによる推薦リストは陰をひそめたが、若手を中心とする会員の手にあったのは、樋口、小林の名が載ったもう1枚のリスト。これは岡本シンパを中心とするグループによって配布されたものだったようだ。両リストの共通点は、岡本の名が筆頭におかれ、中野晶、入江由香ら理事未経験者の名があったこと。当然ながら選挙の成り行きも、2枚の推薦リストにある名前に票が集まる形で進行していった。

 選挙権を有するLPGA会員555名中、総会へ出席したのは212人。15人の理事選出は3度に分けて行なわれ、第1回投票で岡本、樋口、清元、石合文子、石﨑越子が、続いて第2回投票で入江、中村悦子、桝井映里、今堀りつと、小林が当選。最終の第3回では大迫、中野晶、鈴木美重子、伊藤礼、生駒佳与子が選出されたという。

 中野が現役としての活動を理由に辞退、代わりに次点だった井上裕子が当選、新理事会が発足。続いてこの15人の理事の互選で会長選が行なわれた。

 前回の選挙時に「会長選も会員に公開すべき」との意見が出、今回は出席会員たちの眼前での投票、開票となったが、初回開票では15票中、樋口、岡本に7票ずつ、石﨑に1票で決選投票に。つぎは8対7で岡本が選出されたが、岡本が「生涯現役」を訴え、これを辞退。3度目の投票で15対0の満場一致で樋口の三選が決まったという。

 その後、会長の任命となる、副会長3名の選出にも一波乱。岡本、清元の2名はスンナリ決まったが、3人目に小林の名を挙げた樋口に、清元から異議が申し立てられ、弁護士からの助言もあり選挙で次点票を得た石﨑が3人目の副会長に就任した。

 総会後の記者会見で樋口は、「3年前より進めてきた組織改革を軌道に乗せるのが私の任務と思っています」と言葉少なにあいさつ。表情は冴えず、その裏には、これまで樋口グループの泥をかぶってきた小川美智恵(前副会長)や“樋口信者”といわれる柏戸レイ子らが理事落選、清元色の強い伊藤が理事復帰、さらに前述の副会長選出に表れた不信任の空気に重くなった気持ちが隠されていたようだ。

 また会長職を固辞、「協会の新しい出発に、現役を続けながら、私なりに一生懸命会長をバックアップしていきたい」と話した岡本に対しても「なぜ年末の事件を起こした小林を支援(理事に推薦)するのか」との批判の声があり、LPGA新政権は波乱含みの幕開けとなった。

 今後、新組織図に沿った理事の役割分担が樋口会長の手によってなされるが、3月のツアー開幕を前に、内部の強い結束を図ることができるか、早くも懸念する声があがっている。

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