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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/8・15号
2002年更新
“高反発”一色のドライバー戦争
注目は春に発売のナイキのクラブ
 01年の用品界の動きをひと言で表せば「高反発」に尽きる。キャロウェイ・ERCの日本国内で大ヒットさせるや、またたく間に、ほとんどのメーカーが後を追う結果となった。02年の傾向もこの延長で、劇的な変化はなさそうだが、その中に動向が注目される“新顔”もいる。

 01年の用具では、何といっても「飛び」が劇的な進化を遂げた。タイトリストのプロV1に代表されるウレタンカバーボールと「高反発」フェースのドライバーが「飛び」の新時代を開いたのだ。今年のドライバーのトレンドは、「300cm3から300cm3台半ばの大きさで、黒や濃紺といった絞まって見える色の、高反発構造のヘッドに、45インチのシャフト------結局、このあたりに落ち着いた」と、用品業界に詳しい片山哲郎氏は分析する。

 つまり、昨年までの「長軽大」(長尺、ヘッドの軽量、大型化)競争のうち、少なくとも「長尺化」にはストップがかかったが、これも「高反発」の機能がもたらした結果。つまり「高反発」を引き出すには、実際に人間が振り抜き易いクラブでなければならない。

「そのためスウィング・ロボットによるテストではなく、実際に人間が打って、振り抜き易さを検証した結果、この45インチになったのでしょう」(片山氏)。確かに「高反発」を謳うドライバーは従来のクラブに比べて飛ぶことは、この一年で大半のゴルファーに認知されたようだ。

 ところが、ここに未解決の問題がある。フェースの反発係数はPRGR、ダイワ精工、ウイルソンなどが積極的に数値を開示し、その「高反発」性能をアピールしているが、その反発係数は、各社まちまちの計測基準で性能を測り、スペック表示しているのである。「高反発」に客観的数値によるコンセンサスはなく、メーカーによってはあえて「高反発」のアピールを避けているところもある。こうした混乱はありながらも、02年は「高反発」の機能競争に加え、「ヘッド形状の見た目」による差別化も加熱しそうだ。

 その中で強気なのが、今年「300シリーズ」が爆発的に売れ、国内売上げで前年比倍以上の130パーセント増の158億円を記録したテーラーメイドだ。同ブランドでは、来季も34パーセントの売上げ増を目指している。

 また、ERCII人気が一段落したキャロウェイは今度はカーボンヘッドドライバーを投入する。これが新たなトレンドとなり、他社が追随するのか? さらに、業界のみならず、ユーザーの注目を一番集めそうなのがナイキのクラブの登場である。「アメリカでは2月に、まずドライバーから発売する予定。日本でも、なるべく間をおかず売り出す計画で進行しています」(ナイキゴルフ)

 現在、ナイキジャパンにはメディア、ショップはもちろん、一般ゴルファーからも発売時期の問い合わせが殺到しているそうだ。問題はそのターゲット層。競技志向の濃い、上級者向けという予測がある一方で、「ブランド・イメージからすると、若者向けの比較的易しいクラブの可能性もあり、新たに若者をゴルフの引き込む効果も……」と期待する業界関係者もいる。

「しかし、ナイキの参入に加え、テーラーメイドのシェア拡大が現実になれば、営業力の弱い国内の中堅メーカーは間違いなく苦戦を強いられるでしょう」と前出の片山氏は予想。そうなれば、外資の主導による業界再編という、他の多くの業界で起きていることがこの世界でも……。

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