週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/4号
2012/8/27更新

全米プロ前代未聞のバンカーなし!
砂だらけのコースなのになんで?


砂(ウエストエリア)の上に立つ優勝のマクロイ

 マクロイの圧勝で幕を閉じた今年の全米プロ。異色だったのはコースにバンカーが「一切なかった」こと。というのも、コース内のバンカーをハザードではなく、すべてスルーザグリーンとしたからだが、前代未聞のローカルルール。なぜこうなったのだろう。

 開催コース、キアワアイランドゴルフリゾートは海浜の延長線上にあり、コース周辺の砂地・荒地(ウエストエリア= クラブをソールすることができる)と、ハザードのバンカーとの区別がつきにくい。そこで、主催のPGAの判断により、全部ウエストエリアとしてしまったのだ。

 選手の反応は、タイガーは「素振りができていい」、石川遼は「違和感あり。これまで砂にソールしてやったことないので」とさまざま。

 今回のPGAの措置は、2010年ウィストリングストレイツで開催された全米プロに端を発している。トップを走るダスティン・ジョンソンはバンカーにもかかわらずウエストエリアと勘違いしてソールして打ち、2打罰がついてプレーオフに残れなかった。このコース、今回同様、バンカーとウエストエリアの判断が難しかったが、ジョンソンの場合、ギャラリーロープ外だったこともあり、その判断を誤ったようだ。

「ウィストリングもキアワもどちらもピート・ダイ設計で、海浜をホールに取り込むというのは彼の作風。PGAもジョンソンの一件以来、悩んできたと思います。一時はロープを張ってその内外で分けるという案も出たようですが、それも紛らわしいということで、苦肉の策として今回のハザードなしの措置になったようです。ハザードのペナルティ性をいかせないとはいえ、私はルールの大原則である公平性という観点からいい判断だったと思います」(コース設計家・川田太三氏)

 しかし、同コースの特徴であるバンカーをいかせないとは、大いなるパラドックス。コース選定の賛否が囁かれるゆえんだろう。

 
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