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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/15号
2011/2/7更新

有名プロだけ失格は不公平!
「TV見て通報」に揺れる欧、米ツアー


ビジェガス(右)に続きハリントンもテレビ視聴者の通報で失格

 欧州ツアーのアブダビHSBC選手権(1月20~23日)の初日、パドレイグ・ハリントンが失格となった事件が波紋を呼んでいる。この日、トップから1打差、7アンダーの65で回り、スコアカードを提出したハリントンだが、テレビ中継を見ていた視聴者からの指摘で、失格となってしまった。

 7番ホールのグリーンで、ハリントンはボールをリプレースする際にボールに手が触れてしまい、ボールが動いてしまった。ハリントンはボールに触れた感触はあったが、ボールが動いたことはわからなかった。

 だが、テレビを見ていた視聴者の指摘があり、競技委員の検証で動いたボールを元に戻さなかったことが明らかになった。2打罰を加算されるところが、ハリントンはすでにカードを提出済み。これで失格となった。

 実は、この2週前、米ツアーのヒュンダイトーナメントでも、カミロ・ビジェガスがテレビ視聴者の指摘で失格になるという事件が起きていた。

「私たちは皆、プレーヤーが事実を知ることができたにも関わらず、失格となる状況に困惑している。ハリントンの場合でいえば、彼はルールを知っており、正しいことをしていると思っていた。(中略)そのため、USGAとR&Aはこの問題を議論のテーブルに再度のせることになるだろう」
とUSGAの上級ルール委員のマイク・ディビス氏は語っている。




 これに続いて、PGAツアーのT・フィンチェムコミッショナーもこの問題をUSGAに提起し、後押しすることを発表している。つまり、ルール違反を犯したことを知らずに、スコアを提出したプレーヤーを失格にするルールを見直すために今後、USGAとR&Aが議論をしてゆくことを明言したのだ。

 この問題、米ツアーでも話題になっており、ファーマーズインシュランスオープンに出場したタイガー・ウッズも「選手がルールを熟知するのが基本」と前置きしながらも、これは、テレビに映る選手だけがルール違反摘発の対象になっている。公平ではない、というような発言をしている。

 選手がもっとルールに厳しくすることはもちろん必要だが、少なくとも、テレビに映った人間だけが不利になるような不公平は避けたいものだ。

 
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