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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/10号
2010/8/2更新

キャディをクビ切る寸前だった!
全英優勝ウェストハイゼンの素顔


南アを象徴する、白人と黒人のコンビはまだまだ続く

 全英オープンの大会2日目、記者たちが名字の読み方に苦慮したルーイー・ウェストハイゼン(南ア)がジ・オープンで圧勝を飾った。そのウェストハイゼンにまつわる秘話をご紹介しよう。

「記者たるもの選手の名前の読み方くらい事前に調べておいてほしいな」
と本人に代わって報道陣に文句をつけたのは、一昨年マスターズ覇者、同郷南アのトレバー・イメルマン。これには海外メディアがいっせいに肩をすくめたが、日本でも大会期間中オイストハイセンと打電していた共同通信が最終日はウエストヘーゼンに表記を変更するなど、記者泣かせであることこの上なかった。(ちなみにゴルフダイジェスト誌はより本人の発音に近いウェストハウゼンを採用)

 しかし本人は名前を呼び間違えられても温厚な笑顔を崩さず、優勝した直後にはプレスルームの報道陣全員にシャンパンを差し入れた。「これで彼の優勝は7打差じゃなく14打差の価値に跳ね上がった」とAP通信のベテラン記者ダグ・ファーガソン。無骨な27歳は気遣いの人でもあった。

 南アの先輩レティーフ・グーセンは言う。
「全英に勝ったことで彼の周囲は大きく変化するだろう。でも彼自身は絶対に変わらない。それだけは僕が保証するよ」

 そしてもう1つが黒人キャディ、ザック・セラゴとの秘話。実は2人、大会が始まる直前、7年間の関係を解消し、別々の道を歩くことを決めていたのだとか。

 セラゴは南ア出身で貧困から逃れるためキャディになった苦労人。雇い主が主戦場としている欧州ツアーでは、数少ない黒人キャディのひとりだ。

 一方、ウェストハイゼンはメジャーに8度出場しているが、うち7回予選落ちするなど大舞台で苦戦。全英オープン前にも3試合連続で予選落ちを喫したこともあり、深慮の末「経験のあるキャディ、セラゴを起用したほうが良い」という結論に達し、全英の翌週は別のキャディを手配していた。

 しかし最終日の18番グリーンに差し掛かったときウェストハイゼンはセラゴにこう言った。
「お前をどこにも行かせない」

 今後も南アを象徴する白人&黒人コンビの二人三脚は続く。

 
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