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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/24号
2009/11/12更新
逆輸入の12歳の天才少年、加賀崎航太くん。
タイガーとのラウンドで何を得た?


3年ぶりに日本にやってきたタイガー・ウッズと対戦した加賀崎航太くん。石川遼に負けじと「20歳でタイガーを倒す」という大きな野望を持つ

 3年ぶりに来日したタイガーとのエキジビションマッチの相手を務めたのが、11月11日に13歳の誕生日を迎えた加賀崎航太くんだ。「18歳までにUSPGA入りして20歳までにタイガーを倒してメジャーを獲り、日の丸を揚げたい」と壮大な夢を描く少年の素顔を紹介しよう。

 まずはタイガーと対戦した感想をたずねると、
「普段、緊張しないタイプなんですけど、今日は人生でいちばんドキドキしました。タイガーはオーラがすごくてびっくりです。なんか、雰囲気から発する言葉まですべてが重かったです」とつぶらな瞳を輝かせた。

 9ホール回るうちに和やかなムードに包まれ「タイガーはジェントルマン。気持ちの切り替え方とか、勉強になる話を聞けたのでよかった」と、しっかりした口調で振り返った。

 航太くんがゴルフを始めたのは8歳のとき。誕生日に父の博士さんがゴルフクラブをプレゼントしたのがきっかけだ。
「初めて練習場に行ったとき、航太が球を打つ姿を見て、その場にいたプロたちが、すごい、すごいって騒ぎ出したんです」
というほど、クラブを握ったそのときから完成されたスウィングを身につけていたというから、銀のスプーンならぬ、銀のクラブをくわえてこの世に生を受けたといっても過言ではなさそう。

 しかもわずか1カ月で、先にゴルフを始めていた5歳年上の姉を負かすと、4カ月でホールインワンを達成。自分から父に「真剣にゴルフをやらせて下さい」と頭を下げ懇願した航太少年。以来、登校前の3時間の自主練習は欠かしたことがないほど、のめり込んでしまった。

 おかげで、あっという間に父の腕前を抜き去り、地元オーストラリアでジュニアの大会に何度も優勝。世界ジュニアの最高位は2位で、ナショナルチームの一員にも選ばれている。最近では「大人を負かして、相手が困った顔をするのを見るのが快感」になってきたという航太くん。「負けず嫌いなので、勝つまでやります(笑)」




 そんな強気な少年もタイガー相手では、「勝てる可能性はゼロでした。負けてもいいと思ったのは初めて」と脱帽だった。だが、タイガーを倒してメジャーに勝つという夢に関しては「一歩進みました!」と手応えを感じた様子だ。

 最近では、石川遼を筆頭に若い世代が台頭している。
「石川選手には会ったことがあるし、とってもすばらしい選手だと思います。でも僕のゴルフスタイルとは正反対。彼は飛ばすゴルファーだけど、僕はコントロールゴルファーです。これからたとえ身長が伸びても、僕は飛ばしよりコントロールで勝負したい。飛ばないザック・ジョンソンでもマスターズに勝てるんです。ドライバーは270ヤード飛べばじゅうぶんに戦えます」
と、すでにプロになってからのビジョンまで描いているのだ。

 インタビューの最後、いま一度、将来の夢を尋ねると、小首を傾げて数秒考え込んで「プロゴルファーとパイロットになりたいです」と声を弾ませた。マイケル・ジョーダンがバスケットボールと野球を両立させたようにゴルファーとパイロットを両立させるのが夢。スケールの大きなゴルフ少年が、また現れた。

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