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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/20号
2009/10/9更新
戦国時代到来か? 米女子ツアー
試合減で日本に韓・中・台の強敵が襲来

10/1~10/4の日本女子オープンの練習日、会場では選手・関係者が顔を合わせれば、このオフの国内ツアー予選会(QT)の話題で持ち切りだった。来季の出場権を争うQTに、今年は韓国選手を中心に米ツアーの強豪選手が多数参戦することになったからだ。実績では宮里藍の上を行く彼女たちが日本ツアーに乗り込んでくる背景を調べてみた。


今年の全米女子OP優勝のジ・ウンヒも最終QTを受ける予定だ

国内女子ツアーのQTは全4次。最後のファイナルで30位前後にまで入れば、来季はほとんどの試合に出られることになる。

このQTだが、欧米ツアーの成績上位者に免除資格(高次QTからの出場資格)が与えられている。米ツアー選手の場合、前年賞金ランキング21~50位は3次から。同20位以内は直接ファイナルから受験することができる(欧州ツアーは同11~20位は3次から、10位以内はファイナルから)。

先週初め、日本女子プロゴルフ協会がQT受験予定名簿を発表すると、それが大きな反響を呼んだ。そこに、2人の全米女子オープン優勝者や米ツアー通算4勝の実力者が含まれていたからだ(表参照)。実績では宮里藍をも凌駕する大物揃いなのだ。

それに対し、日本選手も多くが闘志、危機感をあらわにした。上位選手では、賞金女王を狙えるポジションにまで成長した有村智恵が「来年は勝負の年」と気を引き締めれば、目下女王の諸見里しのぶは「簡単に勝てると思われたくない!」と、今から闘志を見せていた。

ところで、米ツアーで十分に活躍している外国選手がなぜいま、日本ツアーなのだろうか。

第一には、来季米ツアーがスポンサー離れにより試合数が減る見通しという、競技環境の変化が大きい。

また、国内ツアーの韓国人プロの草分け的存在のキム・エースクは
韓国でも日本ツアーがテレビ中継されるようになったので、米ツアーより日本ツアーの人気が高くなったんです。それと、シン・ジエ選手が日本ツアーの資格を取って、日米でプレーしていて世界のトップに就いたことも刺激になっているようです」
と彼女たちの胸の内を代弁する。加えて、ハワイやアジア各国で開催される米ツアー競技が増えてきたため、その前後に日本ツアーでプレーしたいという思惑もあるようだ。

一方、事前には欧米人選手にも日本ツアー挑戦の動きがあると伝えられたが……。
「確かに欧米選手からの問い合わせはありましたが、出場資格を得るにはQTを受験するしかないと伝えると、それ以上、関心を寄せる選手はいませんでした」(IMGトウキョウ)
ということで、今回はアジア勢だけとなった。欧米人実力選手は、もともと体調を考慮し、出場試合数を抑えており、ツアーの試合数が多少減っても「空き週に日本まで遠征」という発想はないとも語る。

日米両ツアーを股にかけてといえば、目下日本でプレー中の宮里藍や上田桃子がその実践者だが、宮里藍は、このあと国内でミズノクラシックまで3試合戦ったあと、米国で2試合、そして国内最終戦のリコーカップ(今季米ツアー優勝の資格)でシーズンを締めくくる予定。

日本ツアーで1勝した上田はすでに来季の資格を得ているが、宮里藍は9月28日現在、賞金約371万で賞金ランク80位。戦国QTを回避するためにも、来季シード権の安全圏(50位・賞金約1500万円)に向けて、もう頑張るしかない。




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