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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/16号
2009/6/5更新
ユニクロ社長柳井正氏が米ツアー開幕戦コース・
カパルアプランテーションコースを買収していた!

 米PGAツアー開幕戦の開催コースとして知られる、ハワイ・マウイ島のカパルアリゾート・プランテーションコースが、今年3月、ユニクロの創業者で現社長・柳井正氏のプライベートカンパニーに売却されていたことが本誌の調べでわかった。海外の有名コースが日本人ビジネスマンの手に渡った事情を追った。


日本人にも人気のカパルア・プランテーションコース

 プランテーションコースは、パイナップル農場を経営するマウイランド&パイナップル社が1991年にオープンさせたコース。

 同コース以外に、ベイコースとビレッジコースの2コースがあるが、同コースはPGAツアーの開幕戦が行われる、3コースの中でも最もメジャーなコースだ。

 売りに出されたのは、マウイランド社が借金で首が回らなくなったため。今回の売却で得た5000万ドルで、マウイランド社は今年9月末に返済期限がくる9400万ドルの借金を、一挙に4400万ドルに減らし、借金問題にとりあえず一区切りつけることができた。

 売買は今年3月下旬だったので、当時の為替レートで換算すると、5000万ドルはおよそ49億円にあたる。

 マウイランド社は同コースを囲む形で超高級住宅を建設。約20年前から分譲を開始し、最終的には200棟の住宅を建設、分譲して借金は返済できるはずだったが、サブプライムショックで目論見がはずれた。

「住宅のオーナーのプライベートコースにするべく、ビレッジコースを閉鎖したため、ビレッジコースから上がる日銭が減ってしまった。その上、サブプライムショックで、住宅価格は80万ドルから一挙に約40万ドルくらいに値下がり。もう1コース作る予定だったがこれも頓挫してしまった」(ハワイの事情に詳しいゴルフリンクインターナショナルのY・佐藤氏)という。

 今回、柳井氏は、同コース取得のために設立した、TYマネジメントというプライベートカンパニーの名義で同コースを取得しており、ユニクロの経営会社であるファーストリテイリングとは一切関係がない

 マウイランド社は、年間400万ドルの賃借料を支払って、TYマネジメントからゴルフ場を借り、運営を続ける。契約期間は10年だ。

 柳井氏は年間ラウンド数100回以上とも噂される、もはや“趣味”の領域を超えた、無類のゴルフ好きと言われる人物。

「このコースは世界一好きなコース。そのコースが売りに出ていると聞き、取得しようと思い立った」(柳井氏)というのが取得の動機。

 従って、「自らゴルフ場経営に乗り出すつもりはなく、今後どこかのゴルフ場を取得する予定もない。マウイランド社には是非、さらに良いコースにし、このコースが世界中のゴルファーから親しまれるようになってほしい」(柳井氏)という。

 ところで、米PGAツアー開幕戦のスポンサー、メルセデスが、契約期間を1年残して撤退。新たなスポンサーに、韓国の放送メディアSBSが就いたことは本誌でも既報の通り。

「このコースは米国本土から離れたハワイにあるうえに、空港からのアクセスが悪い。しかも山の位置の関係で基本的に気象条件が悪く、開催時期の1月には冷たい雨が降ることが多い。たまたま過去の開催日には降っていないだけ。それだけにトップクラスの選手の参加が少なく、このところ大会の盛り上がりは今ひとつだった」(前出の佐藤氏)。

 オーナーもスポンサーも変わり心機一転。10年大会はどうなるか。注目しよう。

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