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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/9号
2009/5/28更新
閉鎖の危機を会員の支援で乗り越えた。
日高国際CC、再生の一部始終

 昨年11月で営業を終了した北海道の日高国際CCが、5月2日、パブリックの『ひだかの森ゴルフコース』として営業を再開した。元従業員を元会員が支援して営業再開に至った経緯を追った。

 まずは旧会員10名の出資で新会社を設立、代表には旧日高国際支配人の松田浩之氏が就任。ゴルフ場施設は、旧経営会社の平岩観光から“賃借”し、スタッフは元従業員。

 プレーフィは平日4500円、土日祝日が6500円だが、ゴールデンウィーク期間中は、オープン記念料金で食事込みの5500円で利用できたので、「来場者数は昨年比80パーセント増だった」(松田代表)という。

 旧日高国際CCは1972年のオープン。もともとは競走馬の生産牧場の経営会社である平岩観光が、競走馬の牧場を作るつもりで敷地を取得した。

 だが、苫小牧東部開発事業で苫小牧地区が開けてくると考え、ゴルフ場を作ることに。場所柄、会員には競走馬生産の本場・浦河の牧場主なども少なくなかった。

 その後予想通り苫小牧の開発は進んだが、苫小牧周辺にゴルフ場が相次いで建設され、競合が激化。近年は北海道経済の地盤沈下も追い打ちをかけ、年間来場者数も7000人まで落ち込んだ。

 このため、採算を維持できないと判断、約500名(個人正会員約400名、法人会員約100名)には全額預託金を返還。昨年11月24日をもって営業を終了した。

 ゴルフ場の分布地図を広げてみると、一番近いのは苫小牧方面に向かう途中にある平取CC。次に近いのは帯広国際CC。日高国際の北側には日高山脈があるので、やや東側にぐるりと回り込む形で伸びる国道を、北東方向に向かったところにある。

 だが、浦河からの所要時間はいずれも車で2時間以上もかかる。

 日高国際の閉鎖で、コースのあった日高地区はゴルフ場がない空白地帯になってしまった。

「商売をやっている会員も少なくないので、朝夕は会社に顔を出したいのに、片道2時間では一日がかりになってしまう。

 30分以内で来られるコースとして、再開を望む旧会員の声が(再開を)実現させた」(松田代表)。「日高国際閉鎖後は旧日高国際の会員の利用が増えたが、ゴルファーの利便性を考えれば、営業再開できて良かったと思う」(平取CC)。

 日高国際の旧会員のうち、約30人が新規入会した帯広国際は「(営業再開で)利用者数は減るかもしれないが、パブリックの楽しみ方と、メンバーシップの楽しみ方は別。うちもサービス向上に努めたい」という。

 新料金だと、「無論従来のメンバーフィよりはだいぶ高いが、ビジターで利用していたゴルファーにはかなりのお得感があるはず」(松田代表)。

 今回の再生ケースは、旧ゴルフ場会社と、元会員ら新出資者の利害が一致したことに負うものといえるが、2度と再び閉鎖の憂き目を見ないよう祈りたい。

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