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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 3/31号
2009/3/20更新
日本市場だけ特別扱いが仇。
「/」の有無で混乱が拡大したテーラーのTPボール

 競技に出る前に「/(スラッシュ)」の有無を確かめて。『TPレッドLDP』と『TPブラックLDP』のユーザーにこう呼びかけているのはテーラーメイドだ。テーラーのボールに起こっていた問題とは何だったのか。


なんともややこしいいが、今後はTPブラック(左)は「/あり」、TPレッドは「/なし」が公認級となる

 テーラーメイドのボールのロゴの印字で、TPとRED、あるいはTPとBLACKの間に「/」が入っているかどうか。「/」があるのが日本以外に向けたグローバルモデル、ないものは日本向けで、構造や性能は同一だがR&A、USGAの公認球リストには各々別の種類のボールとして掲載されていた。

 ここで過去形を使うのは、『TPレッドLDP』のグローバルモデルと『TPブラックLDP』の日本向けモデルが、現在、公認球リストから外れているからだ。このうち『TPレッドLDP』のグローバルモデル、つまり「/あり」については同社が回収・交換を行っている。

 コトの発端は、定期検査で特定のロットから初速制限に抵触する製品が見つかったこと。同社からの要請により、3月2日には同モデルが公認球リストから削除された。

 事態が大きくなったのは、「日本向けに出荷されたボールに誤ってグローバルモデルが混載されていたことが発覚した」(テーラーメイドゴルフ・喜田眞氏)ためだ。

 日本国内にグローバルモデルがどれくらい流通しているかは不明だが、公認球リスト掲載球の使用を定めた競技では使えないものの、R&A、USGAは、同製品の不良品率が低いため、引き続き「適合球」として扱われるという見解を示しており、一般のアマチュアが使用する分には問題ない。

 さらに、泣きっ面に蜂、の事態が。『TPレッドLDP』のリコールと同時に、『TPブラックLDP』のほうは「/なし」の日本向けモデルが、2月4日より公認球リストから一時的に削除される事態となっている。

 R&A、USGAは、その理由をリスト更新時の申請漏れとしているが、複雑な商品構成がミスを誘発した可能性も考えられる。再申請により、リストには4月1日に再掲載されるが、こちらもそれまでは公認球限定の競技では使用できない。

 また、『TPレッドLDP』同様にグローバルモデルが混載されているため、“ワンボール条件”適用競技では、「/あり」と「/なし」の混合使用は違反となるので4月以降も注意が必要だ。

 混乱の要因となった「/」は、高級化粧箱へのパッケージングを国内で行う日本向けとグローバルモデルを識別するために使われていたものだが、今回の教訓を踏まえ、今後出荷される製品については、『TPレッドLDP』は「/なし」、『TPブラックLDP』は「/あり」、すなわち現在公認球リストに掲載されている仕様に統一されることが決まっている。

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