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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/9号
2008/11/28更新
トーナメントにもエコの風!?
JGTOがCO2排出権ビジネスに乗り出すわけ

 北海道洞爺湖サミットやスポーツの大規模イベントでのエコ活動が活発化している。今回、日本ゴルフツアー機構(JGTO)でも日本初の試みとしてトーナメントにおけるCO2排出量を算定した。その数値から見られる成果とは?


日本ゴルフツアー選手権では約999トンのCO2が排出された

 発表された数値は、今年7月3~6日に宍戸ヒルズCC(茨城県)で開催されたUBS日本ゴルフツアー選手権の大会を通したすべてのプロセスを対象にしたCO2排出量で、トータル998.5トンと算定された(ちなみに東京マラソンでは5546トン)。

 CO2総排出量の内訳で最大のものは大会設備および備品で、全体の約70パーセントとなる。具体的には、大会本部テントやスポンサーパビリオン、仮説トイレなどの製作・設営に伴うものが主で、マグカップなど配布物も含まれる。また2万人以上のギャラリー、選手・スタッフの移動によって発生するCO2量が全体の約27パーセントとなった。

 算定結果からわかるのは、トーナメント開催に不可欠の設備、ギャラリー移動に排出量の大半が占められているということ。しかし、大会中の環境活動で削減されるCO2量は、公共交通機関利用やバスツアーの実施、食品の地産地消を含めても14トンほどにしかならない。

 リサイクルやゴミの分別を行っても、総排出量に比べればわずかなもの。それではツアー全体での貢献も「気持ち」だけのものになるのだろうか。

 そこでJGTOが乗り出したのが「CO2排出権取引」と「森林里親制度」である。排出権購入は環境問題に熱心であるというイメージアップには効果大。

 排出権ビジネスは投資対象としての地位を確立している。今回のタイトルスポンサー、UBSグループも排出権を購入し、今後も継続を予定している。

 さらに、JGTOは長野県飯田市「ゴルフの森」整備事業との契約により、今後20年間で約644トンのCO2削減効果を目指す。初年度は日本ゴルフツアー選手権出場選手らによる寄付で76万円が計上されている。

 大自然の懐を借りて遊ぶゴルファーにとって環境問題は避けて通れない。そのためにも個々人の意識改革が第一だが、果たして一般ゴルファーの規範となるべきプロ選手はどうだろう。

 JGTO会長・小泉直氏は「海外を経験した選手から環境対策の気運が高まっている。今後、選手自身が積極的に関わる活動も考えていきたい」と語る。

 環境対策は一朝一夕には達成しない。ゴルフトーナメントにおける環境問題を可視化した今回の試みで関心と注目を集め、ゴルファーへの啓蒙とスポンサーとの環境ビジネスを近後、国内のすべてのトーナメントに活動を適応していくべきだろう。

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