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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/25号
2008/11/14更新
日本シニアOPでプロが違反ティペグで
失格になっていた。一体どんなティ?

 先月末に行われた日本シニアオープンの最終日。日本ゴルフ協会(JGA)はNHKの前日の中継映像から、某プロが使用したティペッグが違反ティであると判断、3日目の競技を失格とする裁定を下した。問題のティと同じ形状のものは、普通にショップで売られている。どういう判断だったのか、関係者に聞いてみた。


台座下のスカート状のものを手作りしたものが問題となった (※写真は今回の違反品とは関係ありません)

 ゴルフ規則によって、ティは「4インチ(10.16センチ)以下で、プレーの線を示したり、球の動きに影響を与えかねないようなデザインや作りであってはならない」と規定されている。

 今回、その形状が競技委員会により「プレーの線を示す」と判断されたのは、ボールを乗せる台座の下に“腰ミノ”状のヒラヒラが付いたティ。

 大会3日目。NHKのテレビ中継でそのティの使用場面が放送されたところを、JGAの委員が目に留めた。しかし、競技終了後だったため、選手の特定はできなかった。そのため、翌最終日に該当者と思われる選手に確認したところ、使用を認めたので前日の競技を失格とした。

 その選手というのは、曲山正廣プロ。今季はシード権を持たず、予選会からシニアツアーに挑戦しているプロだ。同プロに話を聞くと、「不名誉な話ですが、読者の参考になるということでしたら、喜んでお話します」と語られた話からは、問題のティが、ルール上、実に曖昧な立場にあることがわかった。

 もともと曲山プロは高くティアップをするために長さ10センチのロングティを使用していた。ところが、打ち方のせいなのか、ショットでティも高く舞い上がり、落ち場所を見失ってしばしばなくしていた。

 そこで、あくまでも見つけやすいようにと、市販のティからスカート部分をはがして、自分のティに装着。今年のシニアツアーも、今回のシニアオープンの予選会もそのティでプレーしていた。

「JGAの説明では、スカートのヒラヒラがプレーの線を示すとのことでした。正直、納得はいきません。同じようなティが市販されてますからね。ですから、今回の委員会の判断に不服はありませんが、それ以前に指摘してもらうなり、メーカーが『違反ティ』ですと注意書きすることはできなかったんですかね」と胸のうちを語る。

 同種のティは何種類か売られているが、そのうちの一社、タニヤゴルフに問い合わせた。同社は、いち早く台座が吸盤状になったスカート付きティを発売したメーカーだ。

「最初に作った吸盤付きは、R&Aに審査してもらい、吸盤の部分がルール違反との回答をいただきました。スカートだけのティは審査を受けていませんが、プロの競技会でも使われたことがありますので。でも、大会によって判断がまちまちなので、こちらも困っているんです」との答え。

 一方、JGAは「こうした構造のティの使用に対しては、これまでのR&Aの審査から、競技失格と裁定することになります」(事務局)という。ただし、JGAは用具の審査機関ではないので、このティを違反ティとすることはできず、使用したケースごとに裁定することになるようだ。

 違反ティなら「違反」とはっきり指摘できないものなのだろうか。何ともすっきりしない裁定だが、競技ではヒラヒラしたものは使用しないほうが無難かもしれない。

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