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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/4号
2008/10/23更新
賞金王かQTか。
米ツアー挑戦する選手の悩ましき心もよう

 来季の米ツアー出場権を目指し、日本ツアーから今年は4人の日本人選手がクオリファイスクール(予選会=QS)にエントリーを済ませた。矢野東と岩田寛は11月の2次QS、星野英正と谷原秀人は12月の最終QS受験を予定している。しかし、エントリーはしたが、まだ最終的に決めかねている選手もおり、心のうちは揺れ動いている。その心模様を探った。


見え隠れする「賞金王」の行方次第の谷原(左から)、矢野、星野と、まず1勝してからの岩田

 最終QSは6日間108ホールの長丁場。その上位25人だけが2009年の米ツアー場権を得る、心身ともに疲弊を余儀なくされる過酷な戦い。日本ツアーも秋のビッグトーナメントが続く時期だけに、エントリーを済ませた4人の心も、まだ挑戦するか、断念するかで、揺れ動いている。

 岩田は今季初優勝を期待されながら、キヤノンオープン終了時点で未勝利。米ツアーへの憧れはあるが、日本で勝ってない点が心にブレーキをかける。

「セカンド(2次QS)までに日本で優勝すれば、予選会を受けます。できなければ今年は受けない」という。

 2次QSは11月12日から始まるため、リミットは11月9日終了のレクサス選手権(茨城・大利根CC)。同大会までに念願を叶え、米ツアーに挑戦するのが理想だ。「アメリカに行ったら、勝ち続けたいんです」と、大きな野望も抱くだけに注目だ。

 他の3人は賞金王争いの行方が、QS出場に大きな影響を与えそうだ。キヤノンオープン終了時の賞金ランクは谷原1位、矢野2位、星野5位。3人揃って初の賞金王を狙える位置につけるだけに、心境は複雑だ。

 矢野は「どうしようかな」と悩める現状を打ち明ける。米ツアーに関しては「本格的に参戦するのならコーチ、トレーナー、マネジャーとしっかりチームを組んでいきたい。向こうでガタガタになるのは嫌ですから」

 と、真剣な“構想”を抱く。だが、筋力トレーニングに力を入れ出した今季は、ANAオープンで優勝するなど躍進。「賞金王もあるからね…」と、国内最高勲章への思いも捨てきれないでいる。

 星野は7月の日本ゴルフツアー選手権で、プロ初の日本タイトルをゲットした。初の賞金王のチャンスも出ているだけに、エントリー済みのQSにも「行くかどうかまだはっきり決めてない」と言葉を濁した。

「賞金王の可能性がなくなれば行くと思うけど、ファイナル(最終QS)から出るチャンスは来年もあるからね」と、矢野と同様にマネーキングへの思いは強い。

 2004年のQSを突破し、2005年に米ツアー本格参戦した谷原は「QSより賞金王」と明言している。

 不本意な成績でシード権を獲得できなかった米ツアーに、再度挑戦したい気持ちは強いが、あくまで今季の最大目標は、初の賞金王だ。

 最高のプランは、カシオワールドオープン終了時(11月30日)までに賞金王を確定させ、12月3日からの最終QS(米カリフォルニア州PGAウエスト)に出場すること。日程的には相当タフになるが、米ツアーへの強い気持ちが支えになるはずだ。

 いずれにしろ、この4人はこれからの男子ゴルフ界をけん引する役目がある選手には違いない。それぞれの「決断」を楽しみに待ちたい。

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