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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/4号
2008/10/23更新
有村、原、若林、
20歳優勝トリオが台風の目玉に

 今季の日本女子ツアーは30試合を終えて22名の優勝者が出る大混戦。そのなかから3人のスターが誕生した。共通項は、いずれも20歳のフレッシュヒロイン。秋のシーズンの台風の目になるか、注目だ!


容姿端麗に実力も加わって、この秋は3人娘が大ブレークするか。上から有村、原、若林

 宮里藍の登場が現在の女子ツアーの盛り上がりを呼んだ。その宮里が米ツアーへと旅立った後、ツアーの人気を維持するためには、彼女に続くスター選手をいかに発掘、育成するかがカギになるといわれて久しい。

 だが、今季、宮里のライバルとして次代の女王候補と目されてきた横峯さくらは今季まだ1勝もできず、昨年、賞金女王へと急成長した上田桃子も軸足を米ツアーに移してしまった。

 不動裕理、福嶋晃子の両ベテランがそれぞれ2勝ずつ挙げて存在感を示しているものの、絶対的な強さを持つヒロイン待望論は根強い。と、そこに3人の候補者が現れた。

 一番手は、有村智恵、2006年プロテストでトップ合格を果たした逸材が「プロミスレディス」で不動、大山志保といった歴代の女王を向こうに回し、2位の大山に5打差をつける完璧なゴルフで初優勝を飾った。

 これに続いたのが同期の原江里菜だ。「NEC軽井沢」では得意のパットが冴え、2日目に9アンダー63をマークすると、54ホール日本人最少記録となるトータル21アンダーの「横綱ゴルフ」を見せつけた。

 そして、3人目、「SANKYOレディース」で若林舞衣子は、コースを知り尽くした茂木宏美を最終日に逆転して堂々の初優勝をつかんだ。

 この3人は、若林が学年こそ1つ下だが、全員20歳のフレッシュトリオ。ジュニア時代から試合で競い合い、日本代表ではチームメイトとして戦ってきた仲。

 まるでドラマや漫画に出てくるようなライバル関係だ。このうち学年が同じ有村と原の2人は自他ともに認めるライバル。有村が一足先に初優勝したことが原には大きな刺激となり、わずか7週後にみずからも優勝を勝ち取った。

 このとき有村は、「江里菜の優勝は自分のときより実感が湧きました。彼女が頑張っていたのもいちばん知っているし、私が先に優勝して悔しかっただろうし」とライバルとしての心境を語った。

 また、後輩として2人を追いかけてきた若林が、「ジュニアの頃から一緒にプレーしてきた2人が優勝して、次は私かなという刺激を受けました。そういうメンバーが同年代にいるのはすごく恵まれていると思います」というように同世代のライバルの存在が初優勝に向けてプラスに働いたのは確か。

 そして、それが今度は女子ツアー全体を盛り上げる原動力となることを関係者は期待する。

「優勝したからといって、気を抜く暇はありません。今季は3勝が目標」(有村)

「一緒にアマチュアから戦ってきたので、負けてはいられない。自分の集中力を高め続けることができる、いい環境でゴルフができている」(原)

「有村さんはボールが曲がらないしアプローチも上手い。原さんはパットがすごく上手い。2人とも目標としている先輩。歳が近い私たちでツアーを盛り上げていければ」(若林)

 弱冠20歳にして実力もプロとしての自覚も十分。優勝者が週替わりで登場することについて、ツアー全体のレベルが下がっていると危惧する声も聞こえてくるが、3人娘が核となり、さらに周りに刺激を与えることで、全体の底上げにもつながるはずだ。

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