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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/5号
2008/7/24更新
タイガーも薬物テストを受けていた!
ドーピングをめぐるゴルフ界の今

 タイガー・ウッズがAT&Tナショナルの会見でこの半年間で2回、自ら薬物テストを受けたことを明らかにした。もちろんその結果は陰性。タイガーがひざのケガの手術で栄養剤などの薬を服用したこともあり、自発的に受けたことを明らかにした。ドーピング(禁止薬物摂取)に関してはタイガーも関心が高いことを裏付けた。




 タイガーに同調するかのように、米国PGAツアーもこの7月1日にドーピングテストを開始した。スポーツ選手は、より強く、高く、そして精神の安定を求める。用具の開発や進歩はそれを助けてくれるが、限界を超えた能力を引き出すために、薬物を利用することに関心を寄せる。

 タイガーに薬物疑惑があった訳ではないが、各種の薬の服用で予期せぬ事態が生じないよう手を打ったともいえる。それだけドーピング問題は選手たちにプレッシャーをかけているといっていい。ただタイガーにしても、昨年テストの導入に賛成し、ほとんどのツアープレーヤーも薬物問題はないと言明している。

 米国PGAツアー会長のティム・フィンチェム氏は「ファンとメディアがすべてのスポーツに共通してドーピング問題があると見ている。進んで取り組まなければならない」と言う。

 以前、大リーグで薬物問題が浮上したらホームラン数が激減した事実がある。ゴルフでも、今春ドーピングテスト導入を前に、禁止薬物のリストが発表になったが、それが原因でか今年の平均飛距離が昨年と比べ落ちていることが明らかになった。

 また、今年、引退を表明したA・ソレンスタムに薬物疑惑が持ち上がったが、彼女は鍛えぬいた肉体を前に「光栄なこと」とかわしている。

 ゴルフの各競技団体は、今年を中心に競ってドーピングテストの導入を決めている。

 日本においても日本ゴルフ協会(JGA)が、昨年6月から導入を開始。女子プロゴルフ協会(LPGA)が来年3月、ゴルフツアー機構(JGTO)は来年7月から導入するが、ツアー選手権会場で7月2日にセミナーを開催している。そして、10年から日本プロゴルフ協会(PGA)と続く。

 選手の間ではまだまだ浸透しているとは言い難い状況とあって、現在、啓蒙活動中ということだが、一部の風邪薬やサプリメントにも禁止薬物の成分が含まれているという。

 今年は北京五輪が開催されることもあり、ドーピング問題は百家争鳴の感がある。甲子園大会優勝投手のハンカチ王子こと斉藤祐樹が使って一時評判になった「酸素カプセル」もその俎上にのぼり、日本アンチドーピング機構(JADA)から禁止の対象に指摘された。

 業界団体では「違反に当たらない」としているが、JADAは「使用を控えるべきと」と発表。日本五輪委員会(JOC)も北京に持ち込まない方針を固めている。また、日本高校野球連盟も自粛するよう発表した。

 一般ゴルファーやゴルフファンにとっては、プロゴルファーの薬物使用問題は笑い話にすぎないが、プロゴルフがパワーゲームとなった現在、ドーピングは避けて通れない問題になってきたと言っていい。

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