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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/26号
2008/2/14更新
偽造ばやりの時代にゴルフクラブにも
精巧な偽物が横行

 ネットオークションを中心に偽造クラブの被害が拡がっている。最近の偽造品は、ロゴの一部を変えた「なんちゃって○○」のように愛嬌のあるものではなく、素人目にはまったく見分けがつかない精巧なものが多い。世間では偽造ばやりだが、いよいよゴルフ界にも本格? 偽造ものがはびこってきた。

 一体どれくらいの偽造品が出回っているのかは確かめようもないが、増えているのは事実。

 出所を追及するためネットオークションで怪しい商品を自社で落札していたキャロウェイも、最近では数が多すぎるため落札を休止している。

 また、大手中古ショップチェーンでは、持ち込まれる偽造品は、およそ10年前Sヤードの偽造品が横行したときに比べて10倍くらいに増えたという。

 なぜ偽造品が横行するようになったのか。

 ネットビジネスが浸透し、誰もが無店舗で売買できるようになったこと。また、メーカーが中国に生産拠点を移したことも背景にはある。

 なかには横流しされた本物の金型で偽造品を作るグループもあるようだ。

 偽造はシャフトにまでおよんでいる。

『ランバックスX』の偽造品が見つかったのは昨年11月。フジクラではバーコードの商品管理番号から、香港のショップで中国人に売られた製品がコピーされたことを突き止めたが、犯人特定までには至っていない。

 偽造品の多くは中国で作られていることから、メーカーでは中国の税関当局に依頼して水際作戦を行っているが、すべての輸出を差し止めるのは難しい。

 昨年、キャロウェイが開設した中国オフィスには偽造品対策の任務も与えられている。

 また、クリーブランドは先頃、真正品を見分けるための特殊なラベルを貼る方策を発表した。

 このほか、SRIスポーツのように工場の管理を徹底することで偽造品を減らしたメーカーもあるが、すべての偽造を根絶することは難しい。

 ミズノやフジクラなどがウェブサイトで呼びかけているように、最終的にはユーザーの自衛策が求められる。

 そこで偽造品をつかまされないためのポイントをクラブの“目利き”に聞いてみた。

「たとえばテーラーメイドの『r7』はウェートの数字の書体が違ったり、キャロウェイ『FT-i』は本物がカーボンクラウンなのに偽物はチタンだったり製品によってまちまちです。刻印部分の塗りムラや、ラインのぎざぎざなど仕上げの雰囲気で見分けるしかないものもあります」(ゴルフパートナーFC本部商材部査定課・近藤典之氏)

 また、ネットオークションでは、本物の写真を使って実際には粗悪品を送りつける悪質な出品者も少なくない。

「異常に安いものは何かしら理由があります。完全な予防策は信用できるお店で買うことしかありません」(近藤氏)

 ちなみに同社では全店舗で偽造品の写真付きデータを共有し、万が一最初の1本は仕入れても、2本目からは完全に排除する体制をとっている。

 また、最近は、高額品に限らず量販価格帯の偽造品も多く出回っているが、

「わざわざ安売りクラブのコピーを作っても元は取れない。工場が正規品を横流ししている可能性もある」(関係者)。

 こうなるとまず見分けはつかない。

 同じ工場の同じ型で作られたヘッドなら本物に近いかもしれないが、偽造グループがシャフトまで本物を調達することはありえない。

 巧妙化する手口にイタチごっこが続きそうだ。

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