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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/5号
2008/1/24更新
遼、最年少プロ宣言で名前があがった
16歳で合格・山浦記義ってどんなプロ?

 昨年、15歳でツアー史上最年少優勝記録を達成して以来、プロ転向か、はたまたこのまま高校生生活を続けるか、その去就が注目されていた石川遼がついにプロ入りを表明した。これで16歳3カ月の史上最年少プロゴルファーが誕生したわけだが、今回、石川遼に破られるまで16歳11カ月という最年少でのプロ入り記録を持っていたのが山浦記義プロ。はからずも話題のプロとなってしまった山浦記義ってどんなプロなのだろう。


当時は遼くんに負けないほどの天才肌だったが……

 中学時代はテニスで鳴らし、大阪府のチャンピオンにもなった山浦記義(46歳)がゴルフを始めたのは中学3年生の時。友人に誘われたのがきっかけだったという。

「練習場で毎日ボールを打って、1週間後に初めてコースに出たんですよ。50、42の92というスコアでした。それ以来今日まで92より悪いスコアが出たことはありません」

 山浦は、昭和53年、ゴルフ歴わずか1年3カ月で、当時は年2回行われていたプロテストのうち春季の部で合格した。

 同じ年の秋の部では、中尾豊健、飯合肇、泉川ピートが合格している。

 今とはマスコミ事情が異なるため、今回の石川遼ほどではなかったとはいえ、それでもスポーツ紙が一面で取り上げるなど一躍、注目の存在となった。

 初ゴルフが92、ゴルフ歴1年3カ月でプロ合格とは、これはこれで天才肌といえなくもない。

 しかし、トーナメントでは思うような結果を残せず、やがて焦りからなのかスウィングを崩すことになってツアーからの撤退を決意。

 30歳でレッスンへの道を歩み始めた。いまはスクールでジュニアを主に教えている。

 若き日の山浦をよく知る中尾プロは、

「僕は大学を出て3年後の合格だったから、当時26歳ぐらいだったかな。彼は10歳下だったから子どもに見えましたよ。でも、試合になっても物怖じするところが全くなくて、いつも堂々としたいいプレーをしていました。それには感心しました。当時、彼はスライス系のボールを打っていて、距離もかなり出ていたのですが、ある時からフック系に変えたんです。それによってさらに距離は出るようになりました。ところがコントロールができなくなって、それ以来スウィングを崩してしまって伸び悩んでしまったみたいですね。素質的には間違いなく一級品だっただけに、残念でしたね」

 一方、当の山浦は、当時を振り返って、

「プロ入りした当時はゴルフが楽しくて仕方ありませんでした。いろいろと僕なりに夢もありましたから。ただ若かったせいもあって、怖いもの知らずでしたから、イキオイだけで行ってしまったところもありました。今にして思うと、それがよくなかったのかもしれません」

 ところで今回、自らの記録を更新することになった石川遼に関して、山浦はどう感じているのだろうか?

「荒削りなところはありますが、あれだけパワフルでスウィングアークが大きいのは石川君ならではの魅力です。彼は間違いなく、ゴルフ界の宝ですよ。これからも大きく成長していって欲しいですね」

 と、期待する。しかし、その半面、自らの経験を踏まえ、山浦はこんなアドバイスも。

「今は勢いがありますから、何をやってもうまく行きます。でも、必ずいつか壁にぶつかるはずです。その時、どうやってそれに打ち勝っていくかが問題でしょうね。それにはきちんとした指導者を得るべきです。僕もかつてスウィングに悩んだ時、いろいろな方がアドバイスをしてくださいました。しかし、それをすべて聞いていたら、迷ってますますわからなくなってしまった。それを避けるためにもきちんとした指導者1人について学ぶことが大事なことだと思いますよ」

 プロとしての第一歩を歩み出す石川遼に、山浦のこの言葉を真摯に受け止めてもらいたいものだ。

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