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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 1/8・15号
2008/12/27更新
青木、丸山(茂)、絶不調だった
2人のスーパーサバイバル

 07年の日本ゴルフ界の最大の復活劇は、やはり世界の青木功のエージシュートでの日本シニアオープン優勝だろう。そして、その青木と並んで、想定外の頑張りを見せたのは丸山茂樹。この2人のサバイバル復活劇の真相を探った。


ネバーギブアップ! 丸山(左)と青木

「中村寅吉さんが65歳でエージシュートをやったから、自分も65歳までにやりたいと思っていた。エージシュートができて勝てるなんで、これほど男冥利に尽きることはないよね」とは、優勝直後の言葉だが、エージシュートは、その年齢までトッププレーヤーの実力を維持しないことには出来ない。

 それをコースセッティングの難しい公式戦メジャー最終日で達成して、逆転優勝を果たしたのだから、まさに日本のゴルフ史に残る偉業といえるだろう。

 しかし、青木本人には、「過去6年間勝てなかったことに対する焦りがあったように思う」とマネジャー兼キャディの村田一治氏は語る。

 その間、2位になることも2回あり、ゴルフそのものは決して悪くなかったが、気持ちが先走り、それがゴルフと噛み合わなかったという。

 特に、3日目、4日目の体力が維持できなく、体幹が弱っているのではないかと、下半身を中心に、腹筋、背筋と、人知れずトレーニングに励んでいたのだ。

「トレーニングをしていれば、いつか気持ちとゴルフが噛み合ってくると信じて、今年は例年の3倍は、トレーニングをしていた。それに、試合前にはアルコールを控え、身体が冷える冷たい飲み物も抑えて、全ての生活をゴルフ中心にしていた」(前出・村田氏)という努力をしていたのだ。

 もう一人、青木と同じ時期に気を吐いたのが、丸山茂樹だ。

 昨年来のひざの故障で、心が折れそうになりながらも、「自分のゴルフをやっていれば、チャンスはある」と米ツアーの終盤戦のギン・シューメールクラシックで2位に入り、賞金シードを自力で勝ちとった。

「曲げるのも困難だった」というひざの陽性腫瘍のほうは、夏に脂肪を注射器で抜いて改善し、08年の2月にも再度脂肪を抜く予定というが、「これまで精神的にもずいぶん追い込まれていただけに、逆に忍耐強くなった」(マネジャーの常住幸三氏)と、ゴルファーとしてメンタル面でかなり成長していると言う。

 確かにロングヒッターばかりの米ツアーでは、苦しい思いをするのも分かるが、故障があってもあきらめない丸山の姿には、見習うべきものがある。

 なにしろ、米男子ツアーで、優勝経験があるのは、まだ、青木と丸山だけなのだ。

 この2人に共通する「あきらめない頑張り」がある限り、08年には丸山には米ツアーでの4勝目、青木には66のエージシュートというのも夢ではない。

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