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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/18号
2007/12/6更新
尾崎健夫、底力を見せて最年長シード確定。
シード当落選手の悲喜こもごも

 国内男子ツアーの最終戦、日本シリーズJTカップの前週に行われたシーズン最後となるフルフィールドの大会、カシオワールドで、今年も熾烈なシード権争いが繰り広げられた。


53歳でシード復帰のジェット尾崎(左)、 加瀬は「生涯獲得ランク」で出場に

 男子の賞金シードはランク上位70人だが、今季は、カシオ直前の70位の中には、イアン・ポールターなど規定試合数を満たさない4選手(海外招待選手)が入っており、さらに72位にアダム・スコットの名前もあり、実質のボーダーラインは、75位まで。

 カシオをそのライン内の微妙な順位で迎えたのは、71位の白潟英純、73位の韓国のH・T・キム、74位の河井博大、75位の井戸木功樹という面々。金額にすると井戸木の獲得賞金は973万円余りだったが、カシオで予選を通過すれば30万円以上が加算されるため、1000万円をいくら上回るかがシード争いに加わる条件でもあった。

 当確ラインのすぐ下の順位、76位は06年の日本オープン優勝で5年シードを持つ豪州のポール・シーハン。しかしシーハンは今季11試合と出場義務試合数(16試合)を満たしていない上、カシオも欠場し、賞金シードから外れた。

 77位は、今年のミズノオープン上位の資格で全英オープン出場を果たした佐藤えいち。78位にシニアを主戦場に活躍する尾崎健夫。さらにその下のランクで注目を集めたのは、真板潔、川原希、加瀬秀樹、川岸良兼、今井克宗、友利勝良らツアー優勝経験があるシード常連選手たちの動向であった。

 上記の選手でカシオの予選を突破できなかったのは、佐藤えいち、白潟英純、友利勝良の3選手。

 佐藤と友利は、この時点で賞金シード外が確定したが、白潟は下位の選手の活躍次第で当落が決まる他力本願の立場に。そのため、ボーダーラインより下の選手たちは、白潟がそこまで獲得してきた1031万円余りを越えることが当面の目標になったのだ。

 そのラインを軽々と越えたのは、優勝した手嶋多一。昨年のツアー2勝で09年までのシードを持つ手嶋は、今季、欧州ツアーに専念し、国内は5戦目。この優勝でランク119位から28位へと飛躍して賞金シードを維持したばかりか日本シリーズの出場権も手にした。

「今季は、これで終わりだと思っていたのに……」と戸惑いながらも、絶不調で苦しんだ欧州ツアーの1年間を払拭する優勝を喜んだ。

 熾烈なシード争いの中で最も光っていたのは、ジェットこと尾崎健夫の健闘だ。初日トップタイと好スタートを切ったジェットは、最終日まで優勝を狙える順位を維持。

「QTに行くのか、日本シリーズへ行くのか、そのどちらかしかない」という意気込みで戦い、最後は6位タイとなってランク78位から67位へ上がり、賞金シード復帰を果たした。

「来季はシニアをメインにスケジュールを組んで、レギュラーは試合を選んで出るが、こういうグリーンでも戦えるんだから、粘り強くやって、1勝したい」と意欲を見せた。ちなみに53歳でのシード復帰はツアー最年長記録になった。

 尾崎と同じく6位タイだった加瀬秀樹は、75位に6万1868円の差で76位となって涙を飲んだ。最終日の18番で42ヤードの3打目をカップインさせてイーグル。一時は仮想ランクで“圏内”に入る場面もあったが、後続組の追い上げで、僅差のシード落ちになった。

 加瀬はファイナルQTにはエントリーせず、生涯獲得ランク25位以内のシード権を行使して来シーズンに臨む。

 生涯獲得25位以内のシード権は、1回に限り行使できる、いわばワイルドカード。飯合肇は、今季この権利で出場していたが、ランク109位でシード回復はできなかった。ランク101位で賞金シードを失った川岸良兼も、来季はこの権利を行使する。

 ツアー優勝などの特別シードを持ちながら賞金シード外となった選手は、市原建彦、葉偉志、J・M・シン、W・リャン、Y・E・ヤン。ただし、シンとリャンは日本シリーズに出場しており、この号が出る頃にはシード当落の結果が出ているはず。

 一方、賞金シード復帰を果たしたのは尾崎健夫を含め、伊澤利光、宮瀬博文、今野康晴、C・キャンベル、佐藤信人、細川和彦、丸山大輔、野上貴夫、兼本貴司の10人

 シードを落としてファイナルQTから再出発するのは、河井博大、井戸木鴻樹、真板潔、野中茂、溝口英二、川原希、塚田好宣、今井克宗、サマヌーン・スリロット、秋葉真一、友利勝良の11人だが、井戸木はケガによる特別保障制度が適用され、来季の3試合で白潟の賞金額を越えればシード維持となる。

 初シードは、小田孔明、篠崎紀夫、竹本直哉、イ・スンホ、藤島豊和、P・ミーサワット、C・パリー、井上忠久の8人が確定。

 74位のH・T・キムと75位の白潟は、日本シリーズでのシンとリャンの成績次第で“圏外”になる可能性もあり、とりあえずQTに行き結果を待つことになった。

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