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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/2号
2007/9/20更新
予想外に深刻!9月末開催のF1グランプリに
地元ゴルフ場がたてた対策は

 今月28日(金)から30日(日)にかけて、20年ぶりに富士スピードウェイで開催されるF1日本グランプリには、3日間28万人、最終日1日で14万人の人出が予想されている。このビッグイベントを横目に、戦々恐々としているのが御殿場市や小山町などサーキット周辺のゴルフ場だ。


恨めしやF1グランプリ。東富士CC

 首都圏から富士スピードウェイ(静岡県小山町)のアクセスルートとなる東名高速や中央自動車道、周辺道路はふだんの週末でも渋滞の名所。

 これにF1レースが重なれば行き帰りの混雑は避けられないとあって、多くのゴルフ場で料金の値下げや、帰りの渋滞を避けるために早朝スタートのスループレーなど特別営業体制を敷いている。

 このうち富士スピードウェイに隣接し、もっとも影響が大きいと思われる東富士CCは、

「グリーンフィは平日並みに値下げした上にスループレーで20組しか入れません。ふだんの週末なら50組は入るのに」と恨めしげ。

 また、同コースに通じる道路は一般車の通行が禁止され、通行許可証が必要となるため、当日の予約客への許可証の発送や到着確認業務にも追われている。

 このほか近隣の富士国際GC、小山GC、太陽CC、富士平原GCなど多くのゴルフ場でも特別割引料金によるスループレーで営業を行うが、ハイシーズンの週末にも関わらずほとんどのゴルフ場でスタート枠が埋まらない見込み。

 また、混乱を避けるため、あえてこの3日間を休場するのは富士ヘルス&CCと富士グリーンヒルGCだ。

 風評被害に近い誤解もある。静岡県警では、国道246号線と138号線にはさまれたエリアを流入抑制区域としているため、一般車両は入れないと勘違いしているゴルファーもいる。

 しかし、「車を止めるわけではなく、東富士CC以外のゴルファーの通行には支障がない」(御殿場警察署)。

 ただ、問題は渋滞だ。

 富士スピードウェイでは、東富士、裾野、沼津、山中湖、富士吉田・河口湖など11エリアに設けた場外駐車場に一般車を誘導しサーキット周辺に近づけないチケット&ライド方式によって、周辺での混乱はないとしているが、実際には関係車両の他、観戦ツアーのチャーターバスが3000台、駐車場や駅からのシャトルバスも延べ数千台規模でサーキットに入場する。

 ゴルフ場では、F1終了後観客が帰り始める午後3時より早く御殿場ICを通過するようすすめており、これに従った方が賢明だろう。

 もうひとつの懸念は、場外駐車場周辺の渋滞だ。

 一般車をシャットアウトするサーキットよりも駐車場周辺のゴルフ場の方が影響を受ける可能性がある。

 たとえば東富士・裾野エリアでは8000台の利用が見込まれているが、同じアクセス路を利用する裾野CCでは、料金割引やボールプレゼントなどの効果も及ばず、30日の予約が約3割にとどまっている。

 静岡県ゴルフ場協会によると50から最大68ものゴルフ場がF1開催により何らかの不利益を被るという。

 このほかサーキットから1時間以上離れた山梨県の河口湖や富士北エリアにも数千台規模の駐車場が用意されるので、この地区のゴルフ場でプレーする場合も早めの行動が望ましい。

 こうした状況を受け、地元のゴルフ場からは富士スピードウェイに対して何らかの補償を求める声も上がったが、

「サーキット側からは、どこまでが対象となるか判断できないため一切補償はしないという話になった」(ゴルフ場関係者)。

 とにかく実質的な初開催で、ふたを開けてみるまではわからないというのが実情。

 また、来年はトップシーズンの10月に開催されるという話もあり、そうなればゴルフ場にとってさらに打撃は大きくなる。

 件ゴルフ協会では68コースを対象に影響調査を行うが、その結果を見て何らかの要望を出すことになりそうだ。

 また、再来年からは三重県の鈴鹿サーキットと隔年で開催されることが決まり、胸を半分なで下ろしている関係者も多い。

 いずれにしても絶好のゴルフシーズンだけに、ゴルフ場にしてもゴルファーにしても頭が痛い限りだ。

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