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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/21・28号
2007/8/9更新
G・プレーヤーの爆弾ドーピング発言。
米国での波紋と、日本の対応

 今年、カーヌスティで開催された全英オープンの直前、歴代優勝者の一人として記者会見をしたゲーリー・プレーヤーが「プロゴルファーの薬物使用暴露発言」を行った。プレーヤーはこの中で、世界のトップ選手のうち10人は薬物を使っているだろうと話したから騒ぎが拡大。これをうけて米国でもドーピング論議が沸騰している。

 このところゴルフ界の話題を賑わし始めたドーピング問題に対するゴルフ界の現状は、米国LPGAツアーが独自に2008年からの採用を発表し、ヨーロッパツアーも来年早々の採用を準備、米国PGAツアーは年内に禁止薬物リストの作成に着手するなど、ツアー組織個々のスケジュールと方法による対応が検討されている。

 この状況に対し、6月末、USGAエグゼクティブディレクター、デイビッド・フェイ氏は、全てのゴルフ組織が協力して、一つの方針に基づき対応するべきだと示唆し、それにはUSGA、PGA、LPGA、R&A、ヨーロッパツアー、マスターズのトップが顔を揃えるWGF(世界ゴルフ基金)で検討を行いプロツアーがリーダーシップをとって進めるべきだと発言していた。

 このように準備段階での思想統一が図られていた矢先の全英オープンでのゲーリー・プレーヤーによる爆弾発言。

 これを受けて、世界アンチドーピング機構トップのディック・パウンド氏の「ゴルフを守る象徴的な人物(G・プレーヤー)からもたらされた情報は、ゴルフ界への警告だ。ゴルフ協会はスキャンダルの発生を待つことなく早々に自発的テストを採用すべき」という提言を招くに至っている。

 新聞報道によると、このプレーヤー発言を発端とした騒動が米国ゴルフ界のドーピング論議に更に油を注いでおり、元ツアープレーヤーで現在整形外科医の話として「ゴルファーの筋肉増強剤(ステロイド)の使用は、一時的疲労回復には効果があっても繰り返すことによる副作用の方が危険である」との示唆や、ペンシルバニア州立大学教授の「ステロイドの使用は、むしろ競技中よりもゴルファーが激しい練習から回復するのを助け、パッティングの際の心臓の鼓動を抑える効果がある。でも、それより多額の費用を投じての薬物検査が必要だろうか」という意見を紹介している。

 ジョージア州のリゾートでツアー選手のコンディショニングを行っているトレーナーは「ツアー選手の80パーセントは合法的なプロテインやサプリメントを服用しているのを知っているが、G・プレーヤーの情報はそれらを混同したのではないか」など、にわかに関係者の論議が沸騰しだしている。

 国内の実状を見てみると、既にJGAは日本アンチドーピング機構の指導のもと今年の日本アマ、同女子アマでテスト的に採用しており、「スポーツとしてドーピングテストは必須条件という社会通念に対応」(JGA)の方針で実施準備に入っている。

 JGTOも先日行われたフェデレーション会議の議事報告を受け、これから選手会との協議など検討に入る方向だそうだが、いずれからも具体的な実施スケジュールは示されていない。 

 薬物テスト導入には多額の費用も予想されるが、社会問題として大きく膨らんできたゴルフ界ドーピング問題。

 どうやら来年からの世界の全ツアー採用は不可避になりそうだ。

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