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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/27号
2007/3/15更新
ボールが欲しい! ネットの呼びかけで
イラク戦地へボールが大量寄贈

 イラクでゴルフ!? の仰天ニュースが飛び込んできた。飛球線方向にヘリコプターが飛び交い、爆発音が響く場所で、クラブを握り、一心不乱にボールを打つ戦士たち。そんな不思議な光景が、ザ・ゴルフチャンネルで放映された。

 舞台は、03年3月の米軍侵攻後、4月にはフセイン政権が崩壊し、首都バグダッドが陥落したイラク。圧制が終わりを告げたのも束の間、その後もイスラムの宗派対立が加わり、戦火は収まるどころかますます激しさを増しているのは周知の通り。

 そんな緊張感漂う中でも「ゴルフがしたい!」と思った連中がいた。駐留軍のゴルファーたちだ。

 従軍牧師のデビッド・シフォード氏は、クラブを戦地に持ち込んだ。もちろん、チャンスがあればゴルフをするためだ。ところが、ボールがない。このことを高校時代の友人で、ゴルフ仲間宛にEメールで伝える。

 その相手が、ザ・ゴルフチャンネルのギア担当記者、アダム・バー氏だった。
「何とかしてやるよ」。そう答えたバー氏はすぐに自分の仕事で対応。コラムで全米に呼びかけ、戦地の住所まで視聴者に知らせた。

 するとどうだろう。2週間ほど後に、ボールが来るわ来るわ。トップフライト社からの約1万個を始め、全米のゴルファーたちが山ほどボールを寄付してくれたのだ。

 ボールだけではない。クラブもたくさん届いた。個人はもちろん、ゴルフメーカーや会社単位での寄付も続々と届き、練習場のマットやティ、球拾いの道具までが瞬く間に揃ってしまった。

 これでたちまち≪イラクゴルフ練習場≫ができあがった。アプローチの的は古タイヤ。さらに、通常、米国では木やネットの支柱だったりする目標が街灯だったりするが、ボールとクラブがあれば他に何もいらない。

「壁の外では爆撃の音が絶えませんが、こんなところでもボールを打ちたいと思ってしまうのは本当に変な話ですよね」と、シフォード氏。命の危険にさらされながらでも離れられない≪中毒患者≫が多いゴルフの奥の深さを改めて思い知らされる。

 娯楽のない戦地だけに、ゴルフをしなかった兵士までが、ゴルフを始める始末。
「ここにはベテランゴルファーもたくさんいますから、彼らがレッスンしてくれます」(ビギナー兵士)と、レッスン会まで行なわれているのだ。

 緊張の連続でストレスが溜まるのが戦地の兵士たち。
「いやなことも多く、人に八つ当たりをしてしまいがちですが、ボールを打って気が晴れるならそれに越したことはありません」
 というある兵士の声を聞くと、問題になっている捕虜への虐待行為なども、これで減らせるかも知れない。

 他の基地からも、練習場の噂を聞きつけたゴルフ狂たちが続々とここにつめかけてきている。

 それにしても、爆撃の真っ只中でもプレーしたいというゴルファーの性と、基地の外の緊迫した状況と全く違うのどかな球打ち光景。米軍の強さを垣間見た気がするが、イラク人や、死刑になったフセイン前大統領がこれを見たらなんというか、聞いてみたいものだ。

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