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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/2号
2007/12/19更新
シード喪失、横田真一選手会長が
人生最大の「葛藤と決断」を語った

 男子ツアーの選手会長を2期勤め、ツアーに大きな功績を残した横田真一が07年のシード権を失った。この横田のシード喪失は、彼の個人的な出来事から外れ、男子ツアーの大きな問題へと発展していった。


シード落ちを機会に自分を作り直します、と横田

 ツアー最終戦・カシオワールドオープン終了時、横田の賞金シード落ちが確定した時点でJGTOが理事会決定として「著しい功績のあった者に対しシード権を与える」という特別シード枠を急遽発表した。

 横田は一旦、これを受諾したが、即日、これを撤回しQTを受験。最終的にQTにも失敗し07年の出場権はほぼ絶望的となった。

 ただ、この「特別枠」はしこりを残し、ツアーの内外で『フェア』論議を呼ぶことになってしまったのである。その横田を直撃した

------最初に、『特別シード』を聞いた時の心境は。

横田
 悩みました。はっきり言って最初は良い気持ちはしなかったし、素直にうれしいとは思えませんでした。

------でも最初は受けた。

横田
 まず、JGTOの最高決定機関である理事会の総意で決まったことだと思い、感謝しました。それを断る理由はないんじゃないかと、自分にそう逃げ道を作って言い聞かせました。それに自分にはスポンサーも家族もいる。受ける受けないは僕一人の問題じゃなかったし、それでみんなの前で『お受けします』と言ったんです。

------ただ、その数時間後には撤回。気持ちの中でどういった変化があったのですか。

横田
 2年間、会長職をやってきた中で僕自身が再認識したことなんですが、男子ツアーがこれほど低迷する中で、僕らは何をアピールできるのかと考えた場合に、やっぱりゴルフ自体の素晴らしさを伝えるしかない。
 そのゴルフの素晴らしさとは、自分がアウトかセーフかを決める、自分が審判である唯一のスポーツであるということ。スポーツの中で最もフェアな競技であるということだった。それを機会あるごとにお話してきました。
 だったら今、自分は選手会長としてジュニアやいろんな人の前で話してきたことがすべて嘘になってしまうようなことをしようとしているんじゃないかと感じたんです。
 それで、妻と家で3~4時間話し合い、彼女が笑顔で「そうだね、やっぱり辞退しよう」と言ってくれたので、心は決まりました。

------それにしても、会長職は相当な激務だったと聞いています。

横田
 手帳を見返すと少なくとも36日は会長職として動いています。ただ、ちょうどツアーがこのような時期なので、僕なりに覚悟はしていました。会長職と自分のシード落ちは関係ありません。

------最後に、自分は何でシード落ちしたのだと思いますか。

横田
 長年、さぼってきたツケが出たんです。長い時間をかけて錆が付いて、それが一瞬にしてポキンと折れた。最後はそういう状態でした。でも、これを良い機会にして自分を作り直します。

 横田真一はインタビューの最後に、「でも本当に男らしい人なら、最初の段階で受けてないですよ」と自嘲気味に笑った。

 だが、一旦受けたことが横田の人間らしいところであり、人間・横田が苦悩しながらも「フェアプレー精神」に則り、自分が審判となって断を下したことに大きな意味があるのではないか。

 そんな横田のツアー復帰をファンは心待ちにしている。

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