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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/5号
2006/11/21更新
PGA事件で船渡川育宏会員資格復活も
すんなり解決しない諸事情

「PGA(日本プロゴルフ協会)問題」が新たな局面を迎えそうだ。有印私文書変造、同行使の疑いで6月に逮捕され、10月6日に不起訴処分が決定し、11月6日には理事に復帰した船渡川育宏が、14日、記者会見を開いて、これまでの経緯と今後について口を開いた。


船渡川の会員資格は復活したが……

 主旨を簡単にまとめると、次の2点に集約される。まず「嫌疑不十分というと灰色のイメージだが、法律的には起訴猶予ではなく不起訴処分は、英語で言う≪not guilty≫、つまり無罪という認識」(宮内正広弁護士)を、メディアを通じてアピールすること。

 次に「まったく身に覚えのないことで逮捕された」(船渡川)のに、名誉を傷つけられたことに対して、行政訴訟などの方法での名誉回復を当初は考えていたがこれを断念。これまで黙っていたのは、検察の判断とPGAの理事職復帰決定という公式なものを待っていたから、というものだ。

 昨年11月に起きたPGA神奈川地区の有印私文書変造、同行使について、石井秀夫前副会長、長田力前会長とともに逮捕された船渡川は、7月7日に釈放された。

 だが、PGAは8月に騒動の責任を取る形で会員資格の一時停止を決定。不起訴が決まった後も、留保していた。

 だが11月6日に船渡川がPGA理事会に赴き、正式に謝罪。これをうけてPGAは会員資格一時停止処分を解き、理事職の復帰が決まり、今回の会見は、それを受けて、1週間後に開かれた。

 実際、検察の判断を待つという懲罰委員会の決定を覆し、PGA理事会が会員資格停止処分を決めた際には、不満を漏らした船渡川は「法廷闘争も辞さず」と、吐き捨てたのも事実。だが「(闘争を)やればやるほどゴルフの評判は落ちていき、理事職といういわば公職にはふさわしくない」(宮内弁護士)という理由で前向きな会見で、自分の無実を話すにとどまった。

 一見、これで丸く収まったかに見えるが、実際は11月6日の謝罪についても「我々(理事会)に対して」と、松井功会長ら執行部がとらえているのに対し、船渡川は「一般(PGA)会員とゴルフファンに対してのもので、その謝罪はそれは釈放直後から行っている」と、ニュアンスがまったく違う。

 また、引き続き公判中の石井秀夫(11月14日現在。私文書変造、同行使容疑については自ら認めた。昨年11月に起きた河野高明理事の拉致事件に関与した疑い=業務威力妨害で、追起訴・PGAとしての処分は保留中)や、釈放後まったくなりをひそめているため、会員資格停止処分が続いている長田力前会長(船渡川と同時に不起訴処分)の今後も含めて、一件落着にはほど遠い。

 8月以降、現体制への不満は広がる一方だ。船渡川、長田の処分決定の際、懲罰委員会の決定を覆したことに代表されるように、強引さを面白く思わない会員も多い。

 松井会長は、ことあるごとに「理事会の全会一致」を強調するが、「それは表向きだけ」という証言もあり、中身は決して一枚岩とはいえない上層部の事情もある。

 また、1999年に分裂した日本ゴルフツアー機構(JGTO)との関係についても、協力体制を固めていた前体制に比べ、現体制は距離を置いているが、これに関しても意見は様々で、どうなるかわからないのが実情だ。

「顧問弁護士に一任したので、今後、何らかのアクションがあるはず」(松井会長)の長田前会長が、現在も沈黙を守っているのも不気味だし、11月27日の理事会、代議員総会が静かに終わるとはとても思えず、成り行きを見守るしかないのだが、ファン離れを招く泥試合だけは避けたいところだ。

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