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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/7号
2006/10/24更新
プロ級揃え優勝の千葉、ダントツびりの岩手女子、
「国体」出場選手の怪

 国民体育大会(国体)というと、今や一般の注目度は小さいというのが正直なところ。ところが、今月初旬に兵庫県で開催された「のじぎく国体」は、高校野球の≪ハンカチ王子≫こと斎藤佑樹投手や田中将大投手、卓球の福原愛選手の出場で、スポーツニュースでも大きく取り上げられる大会となった。実は、そこで実施されたゴルフ競技も大変に見ごたえがあった。

 兵庫のじぎく国体のゴルフ競技は、宝塚GC(成年男子と少年男子)と大宝塚GC(女子)を舞台に、6日・7日の両日、それぞれ36ホール競技で個人戦と団体戦(各チーム3人で、全員の合計スコアで競う)が実施された。

 今回、埼玉の成年男子の一員として初出場した和田貴之氏。国体への思い入れはほとんどなかったのだが、都道府県ごとに開催され、基本的にその上位3人が代表となる予選会に出場し、好成績をおさめて埼玉代表となった。

「関係者の方から『去年、一昨年と、いいところまで行ったから、今年は頑張って』と言われて送り出されたんですが、実は埼玉はここ2年、連続2位だったんです。『頑張って』ということは、つまり『優勝して』ということ。そこで初めて代表のプレッシャーを感じました」

 それまで和田氏は軽いノリで大会に臨んでいたそうだ。その和田氏をさらなるプレッシャーが襲った。

「大会直前に、各都道府県のメンバー表を見てビックリしました。日本アマと変わらぬ選手層なので、これは大変な大会に来ちゃったなぁ、と思いました」と苦笑する。

 そう言う和田氏もトップアマなのだが、出場選手には、日本学生を今年連覇した池田勇太(千葉)や今年の日本アマベスト4の田村尚之(広島)のほか、宮城代表は全員が東北福祉大の現役レギュラーである。

「今の国体は、アマチュアでも最高レベルの競技会です。今回も優勝候補と見られた都道府県は10県以上。逆に優勝は難しいと思われる県のほうが少ないくらい」と選手層の厚さを語るのは、今回、成年男子団体で初優勝した千葉県の選手兼監督、阪田哲男氏。日本を代表するアマチュア界のリーダーである。

 千葉のメンバーは、阪田、池田と今年の日本アマベスト8の木下裕太(日大)。国際大会のチーム戦の経験豊富な阪田氏が学生ゴルフ界の雄2人を率いるのだから、勝って当然、他チームがうらやむほどの圧倒的優勝候補だった。

 だが実際は、トータル431打(3選手×2ラウンド)で、2位広島とわずか2打差の辛勝だった。

 もともと関係者の間では、「優勝争いはトータル15アンダー前後での接戦」とささやかれていたそうだ。つまり一人平均5アンダー前後のハイレベルな戦いである。

 残念ながら、特に2日目は猛烈な強風に見舞われ、上位陣にもスコアを崩す選手が続出する展開となったが、見ごたえのある大会であったことは間違いない。

 女子も年々、トップアマやジュニア界の注目選手が顔を揃えるようになった。今回は若林舞衣子(新潟)など、女子ツアー戦でも活躍する選手が多数出場。そのため、多くの一般ギャラリーが来場(18ホール観戦可能)し、なかにはサインを求める人もいたほど。

 ところで、女子は今年から「少年女子」がなくなり、「女子」のなかにジュニアを1人加える規定になった。その規定変更にワリをくったのが、団体最下位に終わった岩手県だ。

 同県はジュニアの選手層が薄く、特に女子は今年4月の「岩手県ジュニアゴルフ大会」でも出場2人、うち1人は当日体調不良で棄権。

 結果、171のスコアで回った高校生が国体代表となった。そして、国体では初日178、2日目189のスコアに。

「今回のことがありましたから、県内のゴルフ場関係者にジュニア育成への理解が深まり、今は支援の動きが広まっています」(岩手県ゴルフ連盟)
 いずれにしても、国体はアマチュアゴルフ界にとって、いい刺激になっているようだ。

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