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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/24号
2006/10/11更新
米PGAと開催コースの思惑が合致!?
中国でWGCが10年連続開催されるわけ。

 ワールド・ゴルフ・チャンピオンシップ(WGC)が中国で開催されることになった。PGAツアーが発表したところによれば、香港にほど近いミッションヒルズCCで、来年と再来年、ワールドカップが開催され、さらに2009年から18年まで、WGCの何らかのイベントが同クラブで開催されることになる。

 実際に契約し、確実に決まっているのはワールドカップの2試合で、09年以降は不確定なのだが、ワールドカップ以外のWGCのイベントが開催されるとしたら、アジアでは初めて。しかも、10年以上も決まったコースで行われるというのだから、注目されるのも当然だろう。

 いまではワールドカップはWGCに組み込まれているが、もともとは世界中の国でプレーすべく開催された試合。

 一方WGCは、日本をはじめ、アメリカ、ヨーロッパ、南アフリカ、オーストラリアのツアーが集まって、インターナショナル・フェデレーションを作って始めたもの。

 にもかかわらず、来年から2010年までは、WGCの年間4つあるうちの3つの試合はアメリカで開催されることが、ほぼ決まっており、残りの一つが、フェデレーションに加わっていない中国で開催されると決まってしまっては、アメリカ以外のツアーから文句が出るのも必至といえるだろう。

「すべてのWGCのイベントが、アメリカで開催されるのには、不満がある」と語るのは、ジョージ・オグリディ欧州ツアー会長。

 ある意味では、前述のように、2010年までのワールドカップ以外のWGCイベントスケジュールは決まっていることから、中国で開催されるのも、4年間はワールドカップということが予想されるが、ミッションヒルズは、ストロークプレーのイベントを望んでいるとかで、もし、ワールドカップ以外のWGCの試合が、中国で定期的に開催されるようなことになれば、他の3試合が、ヨーロッパやオーストラリア、アフリカで開催される可能性は、非常に低くなる。

 米PGAツアーでは、WGCのイベントは、テレビで全世界に放映されており、それによって、世界のゴルフの発展に貢献しているとしているが、それに反発して、「確かに、テレビ中継はゴルフのメッセージを世界に伝えてはいるが、非常にアメリカ的なメッセージを伝えているに過ぎない」(前出オグレディ会長)という声も聞こえてくる。

 それにしても、今回の発表は、ちょっとおかしい部分もある。米ツアーでは、過去数年間、中国でのWGCのイベント開催の実現に向けて、交渉を続けて来たということだが、通常、トーナメントというのは、スポンサーが決まった後に会場が決まる。

 これまで、WGCがほとんどアメリカで開催されていたのも、スポンサーが、宣伝効果を考えて、アメリカでの開催を願っていたからなのだが、それが会場が先に決まるというのは、ミッションヒルズがよほどの資金を出す契約をしたとしか考えられない。

 香港からほど近く、180ホールを有する巨大ゴルフリゾート、ミッションヒルズとしては、日本とアジアチームの対抗戦であるダイナスティカップのように、大きな大会を誘致してコースの宣伝をしたいという目論見があるのだろう。

 加えて米ツアーとしても、また来年からの新しいトーナメントシステム、フェデックスカップのスタートと、これによって生じるスケジュールの大幅変更で、相対的にWGCの権威が薄れることから、スポンサーだけでなく、コースサイドからの資金調達が必要だった。両者の思惑が合致したのが、今回の経緯といえると推測される。

 とはいえ、WGCの開催地問題、これで決着が付いたとはいえそうもない。成り行きに注目したい。

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