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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/10号
2006/9/27更新
ゴルフウェアはプチバブルの様相
続々登場の新ブランドの狙いは?

 停滞気味のゴルフクラブとは対照的に活気づくゴルフウェア市場。今春、登場して販売が好調なプーマゴルフやカッパゴルフを横目に、この秋から来年にかけて新しいブランドが続々と誕生しそうな気配だ。

 プーマといえば、今や、若者にとっては最新の流行ブランド。ゴルフウェアは今年の春に発売されたばかりだが、当初、東京・大阪の数店舗だけだった百貨店のインショップが秋には数十店に拡大しそう。

 同時期に登場したイタリアのサッカーウェアブランド、カッパのゴルフウェアも高感度な女性ゴルファーを中心に人気を集めている。

 両ブランドの共通店は、およそ従来のゴルフウェアらしからぬ細身のシルエットと、サッカーウェアのように吸汗・速乾性にすぐれた素材だ。

 このほか最近では、キムタク愛用の裏原宿系ブランドが発売したTMTクラシックや、人気ロックバンド・シャーベッツのメンバーがプロデュースしたユナイタススポーツなど、ゴルフと縁のなかったメーカーの作るウェアも注目を集めている。

「自分たちの着たいウェアを作った」(TMT/藤本進一氏)というだけあって、そのまま街を歩いても違和感のないファッション性の高さが人気の秘密だ。

 幅広いブランドを手がけるデサントも、さらに顧客層を広げるため、エントリーゴルファーとニッチ層に向けて2つの新ブランドを展開する。

 来春発売されるルコック・リブレは、ルコックがアスリートイメージで作られているのに対し、タウンの流行を取り入れたタイトなシルエットで、これからゴルフを始める20代をターゲットにしている。

 一方、この秋から取扱いを始めるフランスの「nuni」(ヌニ)は、欧州女子ツアーで活躍したサンドリーン・メンディブルが興したブランドで、現役時代にウェアをオーダーメイドするほどファッションにこだわりを持つ彼女が自らデザインも手がける。

 プロの視点でゴルフウェアとしての機能を追及しながら、ワンピースタイプなどユニークなデザインで一般のゴルフウェアとの差別化が図られ、創業4年目、卸し価格で300万ユーロを売り上げるなど、欧州では高級ブランドとしての地位を確立している。

「デザイン、価格設定ともニッチな層をターゲットとしています。商品構成もブランドイメージを崩さぬよう、インポートが中心となります」(ヌニマーケティング・PR担当/大島由貴さん)とセレブの心をくすぐるブランド戦略で、日本でも直営店や限られたセレクトショップで販売される。

 ゴルフウェアは、カジュアル化が進む一方で、高級ブランドも伸びる二極化が進みそうだ。

「売れ筋の価格帯は上下に広がっていますが、株価の恩恵を受けている層が索引役となり、高額な商品が伸び、平均価格は上昇しています」(三越日本橋本店マネジャー/高達正氏)

 百貨店やゴルフショップ中心だった販売チャネルも多様化している。青山にオープンしたポロス青山店は、クラシコイタリア系など欧州のインポートブランドを扱うゴルフ専門のセレクトショップだ。

 また、セレクトショップ大手のユナイテッドアローズもこの秋から自社ブランドのユナイテッドアローズ・ゴルフを展開する。

 ただ、若年層や女性ゴルファーが増えた反面、空洞化現象も起きている。

「これまでゴルフを支えてきた団塊世代が減る傾向もあります。レディスを強化する一方で、団塊の下の世代をいかに掘り起こすかが課題」(前出/高達氏)

 こうした中、ブランドの再編成を進めるメーカーもある。

「クリエイティブラインを若者向け、ジ・オープンを40、50代の人が着るウェアとして再ラインナップします」(ミズノ広報宣伝課/西田維作氏)

ミズノでは元ムッシュニコルのチーフデザイナー、小林由起雄氏を迎え、ジ・オープンのカジュアル化を進める考えだ。

「アパレルとの棲み分けで、機能に走ってきましたが、機能性だけではブランドは育たないことがわかりました。デザイン重視への方向転換は生き残るためです」(前出/西田氏)

 ゆったりめのポロシャツにダブダブパンツの親爺ファッションが、ゴルフ場から消える日も近いかもしれない。

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