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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/26号
2006/9/11更新
タイガー5連続優勝。今季勝率5割で第2黄金期到来。
圧倒的強さの秘密。

 タイガー・ウッズ(30歳)の≪第2黄金期≫が始まった。先のドイツバンク選手権に、逆転優勝したウッズは、メジャー2試合を含む5試合連続優勝を果たしたばかりか、ツアー通算53勝、今季7勝目(14戦参戦)をあげ、今年の勝率を50パーセントとしているのだ。


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 ウッズの第1黄金期といえば、6年前の2000年。このときは99年から年をまたいで6試合連続優勝をあげている。00年には、20試合に参戦して9勝。勝率45パーセントだった。

 それが今回は5試合連続優勝にメジャーが2つ入り、他に勝った試合も規模の大きいものばかり。現在の方が強いプレーヤーになっているのは明らかだ。

 連続優勝記録についても、
「バイロン・ネルソンの11連勝という記録を考えたことはある」と冗談まじりに語っていたが、このあと団体戦のライダーカップをはさんで、9月末のWGCアメックスと、まだまだ勝ち続ける意欲は満々のようなのだ。

 2000年との比較に関しては「よくその話をするけれど、簡単に比較することは出来ない。なにより、皆ゴルフが上手くなっていて、遠くに飛ばすようになっている。
それにボールも、クラブも進化しているから、同じ木のバットを使っている野球のように、単純に記録だけを比較するのは、ゴルフでは無理。

 ただ、いえることは、昔より自分のショットの種類が増えていることは間違いがない。それにこれまでの経験から、どう打てばよいか、コースマネジメントが上手くなっている」
 という。

 実際、先の全米プロでは、「ドライバーを使用したのは、72ホールで18回だけ。でも、ボールはよく飛ぶようになっているし、クラブの技術も進歩しているから、5番ウッドや3番アイアンで、ティショットをして、99年に同じコースで勝った時と同じ番手で、グリーンを狙えた」(ウッズ)という。

 ドイツバンク選手権では、
「第2ラウンドは結構苦しくて、何とかまとめてトップから2打差につけたが、あれは下手すると5~8打差になっても不思議ではないラウンドだった。疲れてくるとよくあるが、アドレスの姿勢が悪く、特にダウンスウィングが乱れてしまう。だから、最終日はスウィングを小さくして、弾道をコントロールできるようにした。弾道をコントロールできないと、距離も正確にコントロールできないからね」
 と語っており、ショットそのものの調子が悪くても、スコアをまとめて、試合中でも調子を上向きにしていく、メンタル面の強さと技術を身につけているのだ。

 ウッズ自身、今の強さについて、「97年のマスターズと、2000年の全米、全英オープンが、自分では最高のパフォーマンスだったと思う」と語っている。

 単一の試合に限っていえば、00年の方が上といえるのかもしれないが、スコアメークという点では、今の方が上手くなっているのは疑いの余地がない。なにより、≪大人のゴルフ≫をマスターしたということなのだろう。

 父親の死を越え、全米プロ直後には、ヨギと名付けられた2匹目の犬(ラブラドール。最初の飼い犬はボーダーコリーで名前はタズ)を飼い、「多分、近いうちにゴルフコースの設計ビジネスを始める」というウッズ。

 なにやら、すでに二クラスのメジャー18勝という、最大の目標を射程圏内にとらえ、引退後の悠々自適な生活設計まで、考えているような雰囲気もある。

 ウッズ本人は、第2黄金期といった表現には、まったく頓着せず、「昨日より今日、今日より明日」(ウッズ)というように、上手くなるように努力を続け、その結果が出ているだけのことに過ぎないのかもしれない。

 シン(43歳)、エルス(36歳)、ミケルソン(36歳)といったビッグネームたちが、年齢的にプレーヤーとしてのピークを越えようとしている中、若手もまだ、十分に育っているとは言い難い状況での第2黄金期。

 二クラスのメジャー18勝の記録を破るのも、ウッズの引退も、予想以上に早い時期に来るのかもしれない。

 

***********************ウッズの今季の成績***********************

≪1月≫ビュイック招待1位
≪2月≫ニッサンオープン棄権
 WGCマッチプレー 2回戦敗退
≪3月≫フォード選手権1位
 ベイヒル招待20位T
 プレーヤース選手権22位T
≪4月≫マスターズ3位T
≪6月≫全米オープン予選落ち
≪7月≫ウエスタンオープン2位T
 全英オープン1位
≪8月≫ビュイックオープン1位
 全米プロ1位
 WGCブリチストン招待1位
≪9月≫ドイツバンク選手権1位

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