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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/5号
2006/8/22更新
「06年レジャー白書」発表されるも、
現場の声と齟齬あり。ホントのところはどう?

 日本の余暇の実態を多角的、総合的に取りまとめる『レジャー白書』06年版が先ごろ、(財)社会経済生産性本部の余暇総研から発表された。そこでは、ゴルフ業界は全般的に活気を取り戻しつつあると記されているのだが、そう指摘された現場の現状はどうなのだろう。

 同白書は全国の都市部(人口5万人以上)に住む15歳以上の男女3000人を対象に、今年2月に行ったアンケートを集計したもので、ある余暇活動を前年の1年間に1回以上行ったと答えた人口を「参加人口」、その割合を「参加率」と表している。

 その結果、今回の白書では、05年1年間におけるゴルフコース参加人口(参加率)は1080万人(9.8パーセント)となった。前年の04年が1030万人(9.4パーセント)だったから50万人増えたことになる。

 また、ここ数年の推移を見ると、
01年1340万人(12.3パーセント)
02年1040万人(9.5パーセント)
03年1080万人(9.8パーセント)
04年1030万人(9.4パーセント)
05年1080万人(9.8パーセント)

 となり、昨年心配された「ゴルフ人口1000万人割れ」の危機は脱し、減少傾向も底を打ったのかも知れない。

 ただし、年間プレー回数は11.6回で、前年(13.3回)より1.7回も減ってはいる。しかし、過去97年には9.9回にまで減少したことがあり、またこの10年間は9回台~13回台で上下していることを見ると、減少傾向にあるのではなく、天候(昨年夏の猛暑と年末の雪害)の要因が影響したと考えられる。

 一方、ゴルフ練習場の参加人口は1040万人で、04年の1160万人にくらべると120万人、率にして10.3パーセントもの大幅減を記録した。昨年の同白書では、それまで数年間続いた減少トレンドにピリオドを打つ80万人増となっていたのだが。

 この調査結果を現場はどう見ているのだろうか? 

「確かに昨年は明るい動きが見られました。今年も春先までは天候に恵まれ入場者数は好調でしたが、4月以降は全国的に前年比マイナスが続いていると思います。ですから、今の時点でゴルフ人口が増えつつあるといわれてもピンときませんね」と語るのは東日本ゴルフ場支配人会連合会会長の大石順一氏(八王子CC総支配人)

 大石氏によれば、今は「黙っていてもお客さんが来る」という時代ではなく、料金や設備投資、営業、新企画サービスなど、常に策を講じなければ、来場者は減る時代。ゴルフ人口は減って当たり前という気持ちで工夫しなければならないという。

 一方、全日本ゴルフ練習場連盟の内藤裕義会長(ハイランドセンター社長)は、「全国的に、昨年は利用者が増加し、今年は昨年よりさらに伸びていますので、練習場人口が減ったという結果はどうでしょうか。ただし、昨年は年間で100箇所ほど廃業した練習場がありましたから、調査した地域によっては利用者が減ることはありますが……」と、こちらもピンと来ない様子。

 ハイランドセンターでは、昨年から今年にかけて、ジュニアを中心にレッスンのクラスが倍に増えた。新規の女性受講者も多く、練習場人口は明らかに増えていると語る。どうも今回のレジャー白書は、ことゴルフに関しては≪現場の実感≫とは齟齬があるようだ。

 だが、まとめの部分で、ジュニア、女性への普及活動などからゴルフ場業界に活気が戻りつつあるとレポートしている。

 この点については、練習場だけでなく、先の大石氏も「確かな胎動として感じていますし、その可能性を育てていきたい」と語る。この分析だけは、間違いであってほしくないものだ。

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