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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/15号
2006/8/1更新
払えますか、ボールを当てたら200万円!
隣りホールへの打球事故の判決下る

 先週、東京地裁で6年前に千葉県内のゴルフ場で起こった打球事故に対する損害賠償を求める訴訟の判決があった。右に大きくそれたボールが約70メートル先の隣りのホールを歩いていた男性に当たり、肋骨を骨折させた事故だが、当てたゴルファーが支払った代償の大きさは……。

 判決によれば、事故は2000年10月に千葉県・東京湾スプリングスCCで起きた。損害賠償を求め訴訟を起こした原告の会社経営者は、3番ホールから4番ホールに向かって歩いている途中で、隣接する5番ホールの男性が打った第2打が胸に直撃し、肋骨を骨折した。

 当てた男性はキャディの合図後に打ったのだが、打球は大きく右にそれ、またその方向の約70メートル先に原告の経営者がいたことには気づいていなかったという。

 つまり、被告のゴルファーは事故の予見は難しく、またキャディの合図もあったことから、それ以上の注意義務はなかったとも思えるのだが……。

 しかし、東京地裁(高野伸裁判官)の判決は「自分の技量に応じ打球が飛ぶ可能性のある範囲を十分に確認すべき義務がある。十分確認すれば原告がいることを確認できた」として、被告の責任を認め、約440万円の賠償請求に対して、197万円余りの支払いを命じた。

 内訳は治療費などで約27万円、原告の会社経営への影響やゴルフの楽しみを奪われた慰謝料として150万円などとなっている。

「隣接ホールの打球事故では、ショットしたプレーヤーの責任の有無については、見通しが可能な範囲で事故の予見の可能性があるかないかの判断を行い、その結果から過失の認定がされます。
これまでの判例では、プレーヤーには打球が届く範囲に人がいないことを確認する重い注意義務が課せられていますし、さらに『プレーヤーが制御の難しいドライバーを選択したことが責任』とまでプレーヤーに重い責任を認定した判例すらあります」(西村國彦弁護士)

 ぶつけた側はダッファーほど注意義務が問われ、責任が認められることもあるという。

 それにしても、打球事故では死亡事故や重い後遺症が残った例も少なくない。それに比べると大事に至らなかったともいえるが、判決までの6年間という年月は大変なエネルギーを要する。

 まず一審判決が下るまでの6年という年月だが、
「日本の場合、このような裁判で6年は長いとはいえません。打球事故では現場検証など詳細な事実認定が必要になりますから、小さな事故でも長引くことがあります。
特に、ゴルフ場の責任が問われた場合は、保険会社の主導でゴルフ場が頑なに責任を否定した結果、長期裁判になることがあります」(西村弁護士)

 とにかく、打球事故は起こしても起こされても、裁判になれば長期間わずらわされることを覚悟しなければならない。

 もうひとつの賠償金だが、今回のケースは賠償金が約200万円。簡単に払える額ではない。ゴルファー保険に契約していれば、プレーの結果、他人に負わせたケガの治療費は、当然保険で補償される。

 しかし判決で命じられた、相手の休業補償や慰謝料も保険から支払われるのだろうか?

「賠償請求をされて法律上の責任が生じた場合、請求された治療費、通院のための交通費、看護料、入院にかかわる雑費、それから休業による損害、慰謝料は契約金額を限度でお支払いいたします」(共栄火災・広報室)

 とのことだから、この件でも被告がゴルファー保険の契約者ならば、全額が保険で支払われることになりそうだ。

 また、訴訟になれば必然的に弁護士費用が発生するが、これについても

「原則的に、当社の承認を得た上で契約された弁護士の費用は補償の対象になります。また、裁判の結果、相手側の弁護士費用の支払いを命じられた場合も同様です」とのこと。

 打球事故が心肺なムキはゴルファー保険に入るのも、ひとつの手といえそうだ。

 これからは夏休み最盛期、セルフで回るゴルファーや、女性、ビギナーも増える季節だが、打球事故を起こさないよう、また合わないよう十分気をつけたい。

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