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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/4号
2006/6/20更新
打球事故よりもカートの事故に注意!
電磁誘導乗用カーに衝突されてプロが左足骨折

 すっかり浸透したセルフプレー。だが、ゴルフのカジュアル化・低料金化という喜ばしい影響ばかりを及ぼしたわけではない。先日、有名プロゴルファーが事故に遭遇。といっても、セルフでもっとも気をつけるべき打球事故ではなかった──。

 4月中旬、場所は千葉県の市原GC市原コース。杉本英世プロが6番の第1打を打ち終え、ティグラウンドを出るとほどなく、同伴者から話しかけられ、一緒に歩き始めた。

 つい話に気を取られているうちに、後方から音が接近。気がつくと、目前に乗用カートが迫っていた。

 左斜め後ろから衝突を受け、その場に倒れた杉本プロ。救急車で近くの病院に運ばれ、「左足の骨折及び靭帯切断で全治4カ月」の診断を受けた。

 事故から2カ月が経過し、ギプスを外した今もまだ歩行の自由が利かないという杉本プロが、そのときの様子を振り返る。

「カートに注意は払っていたんです。ただ、6番は最終ホールだったので(当日はショットガンスタートのコンペに参加)、気の緩みはあったかも……」

「衝撃は強くなかった」(杉本プロ)とはいえ、相手は400キロを超えるカート。たとえ時速7~8キロのスピードでも、ぶつかって来られるとひとたまりもなく、「左足が反対側(普通は曲がらない方向)に曲がった」(杉本プロ)

 ここで乗用カートについて説明しておくと、電磁誘導式と自走式の2タイプに分かれる。前者は、カート道に誘導線と呼ばれる電線が敷設され、カートは常にこの誘導線に沿って走行。後者は、自動車のように運転手が自在にカートを操作できる。

 気になる安全度の高さだが、ゴルフ場事情に詳しい関係者によると、使い勝手は電磁誘導式に軍配が上がるという。

「日本は丘陵コースが多く、自走式では下り坂や斜面を走行中、あるいはホール間のインターバルで山を下っているときにカートが転倒する可能性がある。運転者の運転レベルによっては危険度がさらに上昇。誘導線を敷設する分、費用はかさむが、電磁誘導式のほうが安全面で勝るのでは」(某関係者)

 さらに、制御がカートに任されている電磁誘導式は追突防止センサーを搭載。車両後方に電波発進用、前方には受信用のアンテナがあり、誘導線を走行中、前方に停止している車両から電波を感受すると、一定間隔を空けて自動停止するようになっているのだ。

 しかし、杉本プロが事故に遭ったのは電磁誘導式なのである。しかも杉本プロによると、

「コースに所属しているプロ仲間たちの話を聞くと、ここ4~5年、同じような事故がゴルフ場で年に2~3回は起こっているそうです。両足を骨折する人や、中にはカートに乗っかられて死亡した例も」(杉本プロ)

 件のゴルフ場にしても、カート事故防止には並々ならぬ注意を払っていた。

「スタート前の掲示板やカートのフロントパネルに貼り紙をして注意を促したり、カートに鈴をつけて、近づくと分かるようにしています。
また、走行スピードもタイヤの状態や、雨や凍った日の路面などもろもろの危険を考え、下り坂などはしつこいくらいスピードを落としています。お客さんからは『なんで速くしないんだ』とクレームになることもありますが……。
それでも電磁誘導カートの事故は年に1~2回あります」

 実は追突防止センサーが感知するのはあくまでカート間。人間には反応しないため、電磁誘導式といえども100パーセント安全ではないのだ。

 このため、ゴルフ場利用約款にカートに関する条項を設け、「乗用カートのセンサーは人には感知しません」「人や障害物があっても自動停止いたしません」などと注意を促すコースもある。

 ただし、事故の多くは《人的要因》だと指摘する声も。

「リモコンを操作される方がプレーに熱中するあまり、安全確認をせずにカートを発進させてしまう。操作ミスが原因することが多いのも事実です」(関東の某ゴルフ場)

 今や全国2400コースの90パーセント以上がカートを導入しているといわれるセルフプレー時代。そして、アクティブゴルファーの中心はシニア層で、女性だけの組も増えている。

 こういう状況の中で、自分が事故に巻き込まれないために、そして他人を事故に巻き込まないためにも、カートと上手につき合う必要がある。

 打球事故対策にプレーヤーの前に出ないということは鉄則だが、これからはカートの前に出ないということも、頭に入れておかないといけない。

「(カートが)危ないっていう意識はありましたけどね。でも、自分が事故をするなんて思ってもいなかった」とは杉本プロの弁。我々も決して他人事ではない。

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