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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 3/28号
2006/3/16更新
先輩プロたちの「ルーキーイヤー」から予測する
藍としのぶ、米ツアー初優勝と新人賞の可能性

 宮里藍、諸見里しのぶの米ツアー初優勝はいつになるのか? ゴルフファンのそんな疑問を、記録から考えてみた。


アメリカ大好き

 米ツアー優勝を果たしている先輩たちの例を見てみよう。

 まずは87年に、外国人選手として初めて賞金女王の座についた岡本綾子。78年、最初のQTには失敗したが、80年の国内賞金女王を経て、再挑戦した81年には突破している。

 ルーキーイヤーの82年、アリゾナ・コパー・クラシックで初優勝。この年の賞金ランクは14位だった。ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)は親友、パティ・リゾに奪われている。

 その後、椎間板ヘルニアの手術を乗り越えて通算17勝。メジャー優勝こそないが、何度も手が届きかけたのは周知の通りで、もちろん日本人最多の勝利数を誇る。

 小林浩美は、89年にQTを1度目でトップ合格。だが、翌90年からのフル参戦は苦労の連続だった。何とか新人賞には輝いたものの、賞金ランクは60位。91年63位、92年80位と結果の出ない苦しいシーズンが続く。

 これが栄光に変わったのは、ツアーに慣れ、友人が増え、米ツアーを自分の居場所にした93年のことだった。所属先の日本航空がスポンサードしたJALビッグアップル・クラシックで初優勝。この年2勝して賞金ランク8位。一気に気持ちが楽になり、98年にも2勝を挙げている。

 国内ツアーで2年連続賞金女王になった後、98年に5位でQTを通過した福嶋晃子も、岡本同様ルーキーイヤーに優勝している。

 99年フィリップス招待で初優勝すると、AFLAC選手権で2勝目。賞金ランク15位となったが、その後は今ひとつのまま、数年で撤退した。

 95年のQT14位の平瀬真由美も、翌96年の東レジャパンクイーンズで優勝。これで大きく賞金ランクを上げて、17位となっている。

 米ツアー優勝経験者は他に77年全米女子プロ優勝の樋口久子がいるが、フル参戦ではなかった。

 優勝経験はないが挑戦した選手は数多く、古くは大迫たつ子、森口祐子、日蔭温子、中嶋千尋、近頃では東尾理子などがいる。

 こうしてみると、12打差ブッチ切りでトップ合格を果たし宮里の場合、技術的にもツアー勢に比べて遜色はなく、今季中に優勝する可能性は限りなく高そうだ。

 昔と違い、生活様式もアメリカナイズされた現代っ子だけに、食事などで戸惑うことも少ないだろう。ただ、現状で心配なのは練習不足。日本にいる時よりも練習場環境ははるかによく、試合以外に煩わされる度合いも少ないはずなのだが、それでも撮影や仕事などで多忙すぎる気がしてならない。

 日本ツアーでは賞金女王、不動裕理を手本に、それより長く練習することを自らに課してここまで来ているだけに、宮里本人にとってもこれはジレンマのはずだ。

 また、注目度が高すぎたり、マネージャーを同行することなどでツアーで友人がどれだけできるかという点も課題になる。

 言葉に関しては同伴プレーヤーとだけでなく、会見などでも積極的に話しているので心配はなさそうだが、気持ちを楽にするには、やはりツアー内に溶け込むことが先決と思われる。

 また、小林浩美に続く日本人2人目の新人賞にも期待がかかるが、今年はルーキー豊作の年。17歳で特別にメンバー入りを認められたモーガン・プレッセルや、ビラダ・ニラパスポンポーンなど実力者が勢揃いしている。

 後輩の諸見里しのぶや韓国勢も実力があるし、16歳のミッシェル・ウィもツアー優勝を果たせば、LPGAメンバーになる可能性もあり、予断を許さない。

 いずれにしても早くツアーに慣れて集中力を発揮できれば、優勝の二文字は遠くないはず。カギは、たっぷりと練習できる環境を確保することと、ツアー仲間との時間を大切にすることだろう。

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