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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/21号
2006/2/8更新
青木功がいきなり優勝争いの米シニアツアー
日本人のライバル争いが好結果を生みそう

 青木功がレコード記録を書き変え損ねた……米シニア、チャンピオンズツアーのタートルベイ選手権で3位になった青木だが、逃した記録というのは最年長優勝記録のことだ。場所がハワイということから、あるいは83年のハワイアンオープンの再現を期待した向きもいたかもしれない。というのも青木が最終日、バック9でイーグルか、アルバトロスを出せば逆転優勝という状況だったからだ。


63歳のテクニシャン、健在

 結局は絶好調のローレン・ロバーツが、青木のお株を奪って最終18番ホールでイーグルを決めて優勝した。青木は3打差の3位という成績だったが、最終日ハーフを終えた時点ではロバーツが2打落とし、青木との差が1打差、十分に逆転の可能性はあったのだ。

 タラレバ話だが、もし青木が優勝していれば、これまでの最年長優勝記録63歳ちょうど(マイク・フェチックが1985年に樹立)というのを5カ月近くも伸ばすことになるはずだった。しかも青木は、シニアでの最年少優勝記録では11位(50歳と27日)だから、初優勝と最後の優勝との最長スパン記録も同時に達成することができるはずだった。

 しかし、今回はダメだったが、まだまだこれからチャンスはある。2年ほど前、ゴルフ殿堂入りした際に青木は、「これまでのようなプレーを続け、これからもゴルフへの関心が高まるように努力したい」と語っていたが、昨年は米チャンピオンズツアーにわずか12試合しか参戦せず、92年のシニア入り以来はじめてベスト10入りが1度も出来なかった。

 殿堂入りした後、目標を失ったかにも見えたが、「現役アスリート、現役プロゴルファー」や「世界の青木」という言葉にこだわりを持ち続けていることから、昨年、倉本昌弘、尾崎直道、友利勝良がシニアツアーの出場権を得たことが、新たな刺激になっているようだ。

 シニアの世界に限って言えば、まだまだ日本人プレーヤーの中では青木が健在、ということを示したい気分もあったのだろう。だからこそ過去3年、優勝どころか、ベスト3入りも出来なかった大会で、いきなり優勝争いに加わったのは、実力があるからだろう。そうした意識がある限り、今年4年ぶりの優勝というのも、まんざら夢ではなさそうだ。

 加えてこのタートルベイ選手権では、飯合肇、室田淳が2アンダーで17位タイ、倉本が1アンダーで23位の好成績。初戦のマスターカード選手権が昨年の優勝者が集まる試合なので、タートルベイ選手権は、実質的にシニアのフルメンバーが出場する今年の第1戦といえる。

 それだけに、まだ肩慣らしといった印象もあるのだが、にもかかわらず出場した日本人プレーヤー4名が好成績を収めているのは、やはりライバル意識が働いているからだろう。

 シニアツアーでもっとも重要なのは、集中力の問題とも言われている。飛距離は落ちるが、スウィングそのものはすでに完成されているので、年をとってもそれほど変わらないもの、とされている。

 昨年のメジャー大会で、初日、2日目とシニアツアーのプレーヤーたちがリーダーボートに名を連ねたが、3日目や最終日で大叩き、というケースがあった。レギュラーツアーの若手プロに比べると、シニアのプレーヤーは、何日間も集中力を持続させるのがつらくなるようだ。

 そういう状況を考えると、シニアツアーでは、ライバルの存在は大きな刺激剤になる。そもそもチャンピオンズツアーに出てくるプロの多くは、レギュラーツアーで華々しく活躍した経験があり、金銭的にもハングリー精神にも欠ける部分がある。

 しかしライバル意識を燃やす相手が身近にいれば、集中力を持続させることが出来、良い成績を収めることも可能になるのだ。

 今後は昨年のQスクールで合格した尾崎直道も加わり、一層、日本人プレーヤー間のライバル意識も高まるはず。だとすれば、青木に限らず、日本人プレーヤーが近いうちにチャンピオンズツアーで優勝する可能性は十分にあるだろう。

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