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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/14号
2006/2/3更新
アニカはレクサス、藍はホンダ、諸見里はBMW
車メーカーが米女子ツアープロと契約する理由

 日本を代表する産業の自動車メーカー。かつては国内ツアーでも多数の主催競技を持つ大きなスポンサーだったが、今は副賞の提供程度。しかし、米ツアーをはじめ海外では、相変わらず多くの冠スポンサーになっている。そして、そこで活躍する日本選手にも興味を示している。

 今季米ツアーのルーキーとなる宮里藍は、既にメディアでも発表されているNTTドコモのほか、ゲームソフトのセガ、そしてホンダとも新たにCM契約を結んだ。

 米市場でもシェアを伸ばしているホンダにとって、これから世界を相手に戦おうとする宮里は格好のCMキャラクターだろう。今後、どんなCMが登場するのか、同社に詳しい内容を尋ねると、「間もなく発表の予定ですが、それまではノーコメントです」(広報室)とのこと。

 どうやら米ツアーデビューを前に、話題性が高まる時期を狙っての発表になりそうだ。いずれにせよ、国民的スタープレーヤーと世界的大企業のコラボだけにCMの発表が待たれる。

 もうひとりの米ツアールーキー、諸見里しのぶも先頃、BMWジャパンとスポンサー契約を結んだ。契約内容は同社ブランドマークのクリップをキャップに着用することで、契約金のほか車一台が1年間無償で貸与される。もっとも彼女はまだ運転免許を取得していないが……。

 こちらも彼女の米ツアー進出を機にサポートすることにしたのか、と思いきやそうではなかった。同社の広報担当者によれば、「本当は、もうしばらく国内でプレーしてもらいたかったのですが……」とのこと。

 実は、契約の交渉は昨年夏のプロ入り直後から行われており、暮の米ツアーQT合格は想定外だったという。というのも、同社ではゴルフのほか、F1とヨットの各分野で、これから世界に飛び出そうとする若手選手をサポートする育成プログラムを実施。

 諸見里はゴルフ界での第1号で、今後も有望な若手がいれば契約していきたいという。そして、同社のサポートを得て活躍したのちに、米ツアー進出というのが理想のスケジュールで、諸見里の場合は思惑から少しずれてしまったようだ。

 ところで、プロゴルファーの自動車会社との契約といえば、トヨタと所属契約を結ぶ丸山茂樹が思い出される。彼の場合も米ツアーで活躍するようになってからの契約だった。

「トヨタのサポートはとても手厚く、国内ツアーに帰国参戦するときなどに使用する自家用ジェット機もトヨタの提供のようです」と広告業界の某関係者。

 ちなみにトヨタといえば、先日の女子W杯を制したアニカ・ソレンスタムの右胸に、それまでのベンツマークに替わってトヨタのレクサスのブランドマークが付けられていた。世界最強プレーヤーとの契約だけに、かなりの高額と思われるが……。

「米子会社との契約なので、こちらでは把握しておりません」(本社・広報部)。なお、トヨタブランドでの契約選手は丸山だけとのことだ。

 ともあれ自動車メーカーは国内ツアーではなく、米ツアーで活躍、あるいは活躍が期待されるプレーヤーを重視しているかのようだ。

「ホンダのようなマーケティングがしっかりしている企業は、広告の費用対効果もシビアに計算しています。宮里の場合も、米ツアーに挑戦するという好イメージへの期待も大きいのでしょうが、やはりメディアへの露出度が圧倒的に多くなるからでしょう」と、先の業界関係者。

 今季の宮里には多くの同行記者が付き、その活躍は逐一紹介されることになる。しかも、日本人大リーガーの活躍が国内プロ野球の先に、より大きく報じられるように、彼女のプレーも国内ツアーより大きく扱われることだろう。それだけ宣伝効果は別格に大きくなる。

 ところで宮里が契約すれば、すぐさまライバル会社からのオファーが届く横峯さくらだが、さて彼女のもとに自動車会社のCM契約が舞い込む日は来るのだろうか。

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