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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/7号
2006/1/26更新
フットボールとの視聴率争いも理由のひとつ
07年米男子ツアースケジュールが大幅変更

 米男子ツアーは早くも3戦を終えたが、今週のビュイック招待からタイガー・ウッズをはじめ、ビッグネームが出揃い、本格的なシーズンが始まるという印象が持たれている。しかし、こうした年頭のパターンは、ツアースケジュールの変更で、来年以降も定着しそうな雰囲気だ。


ABC局が放映権を手放す

 今から来年のことを言うと鬼が笑うかもしれないが、PGAツアーは07年からのテレビ放映権交渉を完了させると同時に、すでに来年のスケジュールの概要を発表したからだ。

 アメリカの放映権交渉に関しては以前にも紹介したが、今回の交渉でもっとも焦点となったのは、3大ネットワークの一つABCとの契約だろう。

 米ツアーは永年、週末のトーナメント中継をCBS、NBC、ABCという地上波の3大ネットワークで行ってきたが、ついにABCがその傘下のケーブル局のESPNとともにPGAツアーから手を引くことになった(もっとも主催者が異なる全英オープンに関しては、来年もABCがアメリカでは放映する)

 そのABCに代わる形で、米ツアーはケーブル局のゴルフチャンネルと、なんと15年契約を結ぶことになった。ツアーの木曜、金曜の中継とともに、シーズン始めのハワイでの2戦を始め、3戦目のボブホープの完全中継を行うという。

 ゴルフチャンネルとはいえ、ケーブル局。これまでのABC、ESPNと比べるとどうしてもマイナーなイメージがあることから、来年もビッグネームが試合に出てくるのは、ビュイック招待からということになりそうな気配だ。

「契約については、これ以上満足のしようがない。これで長期にわたって、安定したテレビ中継が確保できた」とPGAツアーのT・フィンチェムコミッショナーが自画自賛するように、もちろんマイナス面ばかりではない。

 CBSとNBCとは、これまでの4年契約から6年契約に変わっている上に、スケジュールの大改革を行い、今まで以上に見応えのある試合を提供するというのだ。

 そしてその目玉となるのが、「フェデックスカップ・シリーズ」といわれる年間を通して行われるポイントシステムと、そのシリーズの上位144名が出場する「チャンピオンシップ・シリーズ」だろう。

 これは、これまでのプレーヤーの実力を測る目安とされていた獲得賞金の代わりに、ポイントシステムを導入し、このポイントで「チャンピオンシップ・シリーズ」への参加権を与えるというもの。

 この「フェデックスカップ・シリーズ」は9月中旬のツアーチャンピオンシップまで。つまりゴルフのシーズンを一応この時点で終わらせ、それ以降は「クエスト・フォー・ザ・カード・シリーズ」という翌年のシード権を賭けた試合を5~6試合行うという。

 もともと、ABCが放映権を持っていた試合はシーズンの初めと終盤戦に多く、これがアメリカンフットボールのシーズンと重なるために、テレビ視聴率が低迷するという事態を引き起こしていた。これに対して、シーズンを9月中旬までにし、プレーオフを作ることで、1試合の重みを増やそうという考えなのだろう。

 ただし、9月中旬以降の試合に関しての扱いには、プロの間から不満の声も上がっている。

 例えば「80年以上も歴史がある試合(テキサスオープン)をどうして廃れさせなければならないのか?」(ロバート・ガメス)というように、中堅クラスのプレーヤーからの反発も多い。有名プレーヤーが出場しないようなシード争いの試合にはスポンサーもつかなくなり、実質的に試合数が減ってゆくのではないか、といった危惧があるからだ。

 加えて、ツアーが主催するプレーヤーズ選手権を5月の第2週に持ってくることで格上げしようとする一方で、古くからのスポンサーがないがしろにされるなど、スポンサー側からの反発の声も聞く。

「ダメージコントロール」としては非常に良く出来たプランと言えそうだが、実際に蓋を開けて見なければ分からない要素も多い。ひとつ間違えば、アメリカでも日本のように、女子ツアーが男子ツアーの人気を奪ってゆく転機になるかも知れず、関係者の間では期待と同時に不安を感じる向きもあるようだ。

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