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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/20号
2005/12/7更新
平均パット数1位でも「課題はパッティング」
6年連続賞金女王・不動裕理に「死角なし」

 不動裕理が6年連続賞金女王に輝いた。ライバル、宮里藍が米ツアー挑戦のため最終戦を欠場したとはいえ、女子プロ創成期に樋口久子が作った9年連続(68~76年)に続く大記録。群雄割拠の時代に、ここまで強さを見せ付けた不動の軌跡を追ってみると……。

 96年プロ入りした不動は、初優勝こそ99年と遅かったが、その後は破竹の勢いだった。

 2勝目を挙げた2000年は一気に6勝。女子ツアー史上初の年間1億円を突破して、2位の中野晶に4600万円余の差をつけ、初の賞金女王となった。

 翌01年は、全米女子オープンに初出場し、12位となる活躍を見せたが、メジャー出場で国内を留守にすることがあったため、4勝にとどまった。

 それでも予選落ちのないコンスタントなプレーで、確実に賞金を積み重ね、最終戦のツアー選手権優勝で差を詰めた肥後かおりに約1800万円差をつけ、2年連続のタイトルを手にしている。

 02年は、シーズン途中まで藤井かすみとの激しいデッドヒートを演じている。女王獲得を目標と口にしてはばからない藤井と、秋口になっても互いに一歩も譲らない手に汗握る戦いを見せたが、終盤の伊藤園レディスでシーズン4勝目。

 これで藤井を突き放し、最終的には1305万円差で3年連続女王に。それでも「ゲームの内容が悪かった。自分のモロさが出ていた気がする」と、満足せずに飛躍を誓っている。

 続く03年は圧倒的な強さで他を寄せ付けなかった。開幕戦Vに気をよくすると「このままの位置で最後までいきたい。賞金女王を目指したいと思います」と、これまでとは違って強気に宣言。車のドアに右小指を挟み、骨折するアクシデントをものともせずに突っ走った。

 日本女子プロで公式戦初優勝を果たすと、大詰めに入ってさらに強さを増して、最終戦のツアー選手権で公式戦2勝目を挙げ、とうとう年間10勝。

 開幕から1度もトップを明け渡すことなく、2位のイ・チヒの倍近い約1億4932万円を稼ぎ、危なげなく女王の座についた。

 高校生アマでツアー優勝を果たし、プロに転向した宮里藍がフル参戦した04年は、節目の年だった。

 開幕戦優勝を果たして突っ走る宮里と激しく争いながら、7月のゴルフ5レディスでついに通算30勝。史上最年少、27歳285日目で永久シードを獲得した。

 だが、賞金レースは最後まで宮里に苦しめられた。最終戦の最終ホールまで優勝争いを演じ、これが女王争いに直結。結局、不動が優勝して宮里に1980万円差をつけたが、前年の圧勝とは違う薄氷のタイトルだった。

 そして迎えた今年も、やはり宮里との一騎打ち。序盤戦で出遅れ、最初の優勝は5月。それでも6勝を挙げたが、最終戦を迎えたときには、宮里にリードされる苦しい展開だった。

 しかし、宮里は直後に行われる米ツアーQTファイナルに万全の状態で臨むため、最終戦を欠場。14位以内(2人まで)の条件下で戦った不動は2位タイとなり、見事、6年連続の偉業を成し遂げた。

 不動の凄さはスコアにも表れている。タイトルを手にした6年間はずっと平均ストロークもアンダーパーで1位をキープしており、名実ともに女王として君臨している。

 6年連続賞金女王となっても、不動の貪欲さは変わらない。「来季はパッティングが課題です。もう少し飛距離を出したい」と、まだまだ自分のプレーに満足している様子はなく、向上心のカタマリ。

 宮里だけでなく、横峯さくら、大山志保ら実力をつけてきたライバルたちや、毎年、上位に来る藤井かすみらを相手に、頭一つ抜けた状態を保てれば、7年連続のタイトルも夢ではないだろう。

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