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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/20号
2005/12/7更新
米欧ツアーが高額賞金で急成長する一方、
かつての勢いを失った豪州と日本ツアー

 日本に「ミッシェル・ウィ・フィーバー」を巻き起こしたカシオワールドオープンで、ウィが2日目の最終18番、1.2メートルのショートパットをはずして予選落ちしたが、皮肉な見方をすればこれで日本の男子ツアーの面目も保たれたことになる。
 というのも、世界中のメディアが四国に集まり報道合戦を行う中で、ウィが楽に予選を通過していたら、日本の男子ツアーの実力が低く見られる結果になっていたかもしれないからだ。


米欧ツアーで優勝のガルシア

 というのも、すでに11月からヨーロッパツアーが中国で始まっているが、アメリカ、ヨーロッパツアーの人気と実力が高まる中で、オーストラリアツアーや日本のツアーは大丈夫なのか? という声が、世界のゴルフ界で囁かれている。

 この時期、本来であれば暖かい南半球のオーストラリアツアーが注目されて然るべきだが、アジア、ヨーロッパツアーが高額賞金で急成長する中、国際的なスタープレーヤーたちは、オーストラリアツアーへの出場を見合わせている。そのため公認試合数はわずかに6試合にまで減ってしまった。

 先のオーストラリアオープンに出場した地元のアーロン・バデリーは、
「海外でプレーしている時に、自分の国のナショナルオープンに冠スポンサーがつかないと聞いて驚いた。オーストラリアからは素晴らしいプレーヤーがたくさん出ているのに、ツアーがうまくいっていないと聞くと、何か妙な気持ちで、フラストレーションが溜まるよ」
(オーストラリアオープンのスポンサーは、開催1カ月前にやっと決まった)と語っていた。

 かつては日本ツアーとオーストラリアツアー、ヨーロッパツアーの実力は伯仲しているといわれていたが、ここ数年は米ツアーに次いで、ヨーロッパツアーの成長が著しい。

 米ツアーとヨーロッパツアーを掛け持ちするプレーヤーの中には、レティーフ・グーセン、セルヒオ・ガルシア、パトリック・ハリントンなどがいる。

 その中でもグーセンは今年、アメリカで8試合を消化し、インターナショナルでの優勝などを含めて350万ドル近い賞金を獲得してランキング8位、ヨーロッパツアー(賞金ランキング4位)でも13試合を消化し、ジャーマンマスターズで優勝するなど、大活躍している。

 ガルシアは、アメリカ(ランキング10位)で25試合、ヨーロッパツアー(6位)で11試合に出場して、両ツアーで優勝を経験、スウィング改造の成果を見せつけている。

 またハリントンも米ツアー(14位)参戦15試合で2勝する一方、欧州ツアー(32位)でも16試合に出場している。

 今年の全米オープンに優勝したマイケル・キャンベルに至っては、全英で5位タイ、全米プロで6位タイ、ワールドマ ッチプレーで優勝と、大きな試合で大活躍し、こうした賞金が加算されてヨーロッパツアーの賞金ランキング2位になった。

「もちろんヨーロッパツアーにいることが楽しいし、これからもサポートしてゆくが、ダレン・クラークやハリントンのように、許されるのならもっと米ツアーにも挑戦してみたい」と意欲を燃やしている。

 メジャーやWGCの試合での参戦数や賞金は、アメリカ、ヨーロッパ、両ツアーで加算されるために、単純に両ツアーでの参戦数や賞金を足すわけにはいかないが、世界を股にかけるというのは、それだけプレーヤーの負担も大きい上、試合数もこなさなければならない。

 世界のゴルフ界は米ツアーばかりに目が向いており、タイガー・ウッズやフィル・ミケルソン、ビジェイ・シンといったプレーヤーばかりが注目されるが、ヨーロッパツアーのプレーヤーたちの総合的な実力はかなりの線まで来ていることは間違いない。

 そうした中で、オーストラリアツアーや日本のツアーが実力で米、ヨーロッパの両ツアーから差をつけられてしまい、それが人気にも翳りを落としているということだろう。

 米欧両ツアーで勢力的にプレーするグーセンやガルシアとまでは言わないが、来年はやはり丸山茂樹ら日本人トッププレーヤーたちが世界をあっと言わせるような活躍をしてもらいたいものだ。

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