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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/15号
2005/11/2更新
「一流のシニアツアープロとプレーできる」
団塊世代向けゴルフ場集客プランが登場

 07年から本格化する「団塊の世代」の大量定年を前に、ゴルフ業界でも同世代を主な対象にした企画が様々考えられている。そんななか、この秋からシニア世代向けの「レッスン&親睦プレー」を新たに始めたゴルフ場がある。さっそく好評を得ているということだが、その理由は……?

 山梨県にある清里丘の公園ゴルフ場では今年9月から毎月1回、シニアのトッププロを招き、2日間にわたって「実践レッスン」と「親睦ゴルフプラン」を開催している。

 第1回は鈴村照男と武井泰道の両プロを招いて9月27日、28日に実施。そして、10月は新井規矩雄プロをゲストに、17日、18日に行われた。

 内容は、初日はビギナー向けの「実践レッスン」(定員21人、参加費1万円)で、朝9時のトークイベントから始まり、練習場レッスン、パターレッスン、3ホールのラウンドレッスンといった構成。その後、オプション(会費5000円)でプロを囲んでの夕食会が開かれた。

 翌日は9時過ぎスタートの「親睦ゴルフプラン」(定員36人、プレー代・食事代等も含む参加費2万円)。プロのコースレッスンを受けながらのラウンドプレーである。

「(ゴルフ人口の多い)シニア世代のあこがれのプロと一緒にゴルフを楽しんでもらうことで、利用者の増加を図りたい」というゴルフ場側の狙いどおり------平日開催ということもあって------参加者の中心は、仕事をリタイアしたシニア世代。ただし、「実践レッスン」には若い女性の参加者もちらほら。

「教える方が有名なシニアということで、ビギナーの女性には安心感があるからじゃないでしょうか」と同ゴルフ場担当者。

 こうした企画が誕生したのは、今年から同ゴルフ場を舞台にシニアツアーの「アルデプロカップ清里シニアオープン」が開催されたからだ。その大会の折に双方から「せっかくだから、もっと親睦を深めたい」という声が挙がったのがきっかけのようだ。

 実際に招かれたプロに感想を聞くと、「楽しかったですよ。単なるレッスンではなく、親しく触れ合いながらゴルフの面白さを伝えられるのがいいですね。こうしたスタイルのレッスンは案外ないんじゃないですか」(新井プロ)と、プロ側はやりがいを感じている。

 もちろん、参加者の側は「若い頃のあこがれのトッププロと親しくゴルフができるので、皆さんとても喜んでおられます」と、ゴルフ場では好感触を得ている。

 そのため、回を重ねるごとに参加者の数は増え、10月は両日とも20人前後。そして、11月のイベントには、既に10数名からの申込みがあるという。

 時間に余裕のあるシニア世代のニーズに的確に応えた企画なら、それなりの反響があるということだろう。

 有名プロのレッスン会にしては低料金なので、それほど収益は期待でないが、ゴルフ場側では来春以降も続けていきたいし、その手ごたえを感じているとのことだ。

 ところで、同ゴルフ場はもともと山梨県の公営総合レジャー施設の一部門だった。しかし、施設全体が慢性的な赤字経営に陥ったことから、昨年「指定管理者制度」を導入し、運営が民間に委託された。

 すると、さっそく民間ならではの大胆なコストカットに加え、多様化するニーズに的確、かつ素早く応える経営が展開され、今年度から黒字化の見通しとなった。

 今回の企画も、そうした積極的な事業展開から生まれた発想だった。

 また、同ゴルフ場では、リタイアしたシニア世代には平日1人で申し込むゴルファーが多いことに着目。

 今年から、毎日1人申込みの特別枠を設け、さらに1人でも気兼ねなく申し込めるように「オンリーワン」という登録会員制度を新しく設けた。これまで50人ほどの登録があるそうだ。

 今後も新しい企画を打ち出していく方針というが、その戦略が見つめる先に、定年間近の団塊世代があることは間違いなさそうだ。

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