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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 11/1号
2005/10/25更新
破産宣告に2年もかかった株式会社津GC
中間法人設立して自主運営を目指す

 会員による破産申立からほぼ2年。ゴルフ場の所有権移転を巡って、会員との対立が訴訟に発展、混乱が続いていた三重県の旧・津GC(現・樹王CC)の経営会社だった株式会社津ゴルフ倶楽部に、9月14日、ようやく破産宣告が下りた。

 通常、会社側が自ら申し立てる自己破産なら数日、債権者が申し立てる第三者破産でも2~3カ月以内には下りる破算宣告に、2年近くもの歳月を要した原因は、このゴルフ場の所有権を巡る、会員と経営会社間で争われていた訴訟にある。

 コトの発端は今から溯ること約5年前。預託金償還期限到来直前の平成12年12月、理事会で10年据え置き延長を決議したが、一部会員がこれに反発、預託金返還請求訴訟を起こした。

 しかし津GC側は株式会社KSCなる法人に、会員には何の告知もしないまま営業権とゴルフ場施設の所有権を譲渡し、平成14年10月、コース名を樹王CCに変更。

 これで会員側が預託金返還請求訴訟に勝訴しても、ゴルフ場の資産や日々の収益に対して強制執行をかける道が阻まれてしまったばかりか、KSCは会員に対し、経営交代を理由に登録料等の納入を要求。

 前後して津GCとKSCの幹部が当該ゴルフ場とは別件の事件で競売妨害容疑によって逮捕されるというトラブルも発生した。

 危機感を募らせた会員側は、コース名変更の直前に「守る会」を結成、KSCへの所有権移転は仮装であり無効だとして、所有権移転登記の抹消を求める訴訟を起こした。

 そしてその3カ月後の平成15年1月には津GCの幹部が、今度は「会員契約適正化法」施行後初の、同法違犯容疑で書類送検されるなど、まさにトラブルのデパート状態が続いた。

 会員側が株式会社津GCの破産申立に踏み切ったのは、その10カ月後の平成15年11月。しかし津GCの破産手続きをきちんと行うためには、津GCの資産が何なのかを確定しなくてはならない。

 コース施設はKSCのものではなく、株式会社津GCのもの、というのが会員側の主張だが、株式会社津GCやKSCの主張はまったく逆。結局、会員側が平成14年10月に申立てていた、KSCへの所有権移転登記抹消請求訴訟の結果を待つことになった。

 申立から2年3カ月を経て、今年1月27日に名古屋地裁が下した判決は、会員側の全面勝訴。会社側は当然控訴したが、今年8月9日、名古屋高裁が会社側の控訴を棄却。

 会社側はさらに最高裁に上告してはいるが、事実認定は高裁までなので、最高裁で結果が覆る可能性はないと名古屋地裁が判断したことを受け、会員申立の破産手続きが始まることになった。

 昨年3月、守る会を母体に設立された有限責任中間法人美里の高山順一代表は、今回の破産宣告を受け、「破産管財人からゴルフ場を買い受け、自主運営したい」との意向を表明している。

 しかし買い受け金額が一体いくらくらいになるのか、現段階では「1番抵当権者のUFJ銀行との話し合い次第」(高山代表)という。既に当該GC買収に複数の企業が名乗りを挙げていると言われる中、会員も他の候補者と同じ土俵で競争入札ということになるのだろうか。

 この点について破産管財人の渡邉一平弁護士は「今はまだゴルフ場の占有を取り戻すことが最優先で、入札云々ということを考える段階にない」という。

 同GCの会員数は約4000名で、その大半は投資目的の会員と見られるものの中間法人には1080名の会員が参加している。単純計算で一人50万円出せば5億円、100万円出せば10億円の資金が集まる。

「管財人からは、会員の多くの人が構成する中間法人が強く取得を希望するのならば考慮するとの意向を聞いている」(中間法人の代理人・串田正克弁護士)

 長期間に渡った戦いもようやく出口が見えてきたようだ。

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