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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/1号
2005/10/25更新
プロになってもツアーカードのないウィ
スポンサー推薦で男女ツアーを二股行脚?

 天才少女は神出鬼没!? いよいよプロデビューを果たした16歳の天才少女、ミッシェル・ウィ。女子ばかりではなく、男子の大会をも視野に入れたプロツアーへの殴りこみは、一体どこまで広がるのだろうか。


引き手あまた

 これからのウィの出場予定は、11月の日本男子ツアー、カシオワールド、1月のPGAツアー、ソニー・オープン・イン・ハワイだけとなっている。

 プロ転向を宣言したもののどこのツアーのメンバーでもなく、18歳未満ということで米女子ツアーのカードも持っていないウィの出場機会は、現状ではスポンサー推薦と、過去のその大会の成績によるものしかない。

 当面、主戦場となる米女子ツアーは、ツアーメンバーではないウィの場合、全米女子オープン、全英女子オープン以外の試合で年間6試合までしかスポンサー推薦枠を使えない。

 つまり前出の両メジャーを合わせると、年間8試合に出場できることになるが、これではアマチュアだった今年と同じで、せっかくプロになったのに物足りない。

 だが、優勝すれば話は別だ。規定によってメンバーにはなれないものの、コミッショナーに申請して受け入れられれば、ノン・エグゼンプトの資格を手に入れることができ、一部の試合を除けば、ほとんど出場することができる。

 ウィが狙っているのはまさにこれだ。2003年、韓国ツアーで戦っていたアン・シヒョンが、同国で開催された米ツアー、CJナインブリッジズで優勝し、最終戦のツアー選手権にも出場。

 翌04年はノン・エグゼンプトの資格でシーズンを通してプレーし、05年の出場権を獲得した例もある。ウィにも可能性は十分広がっている。

 日本、欧州など、女子ツアーに関してはどこでもウェルカムなのは言うまでもないが、男子ではどうか。

 地元ハワイで行われるソニー・オープンは、もともとスポンサー推薦で出場していたが、プロ転向と同時にナイキとともに契約したのがこのソニーとあって、出場には何の問題もない。

 米国だけでなく、日本、欧州などあちこちで出場要請の声があるため、メジャーはともかく、ウィがどこに出場してもおかしくない状態だ。

 だが、「しばらくはLPGAツアーでの優勝が目標」と口にしているウィの究極の夢は、マスターズ出場。そのための早道は全米アマパブリックリンクス選手権優勝だったが、プロ転向でその道は閉ざされた。

 こうなると予選から出場できるメジャーで上位に入るか、世界ランクを上げてオーガスタを目指すことになるため、やはり男子ツアー出場も頭にちらついているはずだ。

 とりあえず、プロとしての最初の男子ツアーは日本のカシオワールド。プロ転向直前に極秘来日し、開催コース、Kochi黒潮CCをラウンドし好感触を得ているだけに、これまで果たせていない予選通過へと可能性が広がっている。

 女子ツアーに人気をさらわれ、すっかり影の薄くなっている日本の男子ツアーが、米国の天才少女によって脚光を浴びるのはなんとも皮肉だが、予選通過はもとより、上位に入るようなことにでもなれば、さらに世界中から注目されることになるだろう。

 プロ転向と同時にナイキ、ソニーの2社だけで1000万ドルと言われる大型契約を結んだウィだが、「自分により努力させるのが好き。今度は勝つことがもっとも大切になるのはわかっている」と、ハングリーさを失う様子はない。

「これから彼女を呼びたいという大会はどんどん増えるはず」と、トーナメント関係者が証言するとおり、ウィの出場する試合は世界中にありそうだ。

 ひたすらオーガスタの地を目指す彼女にとって世界はひとつ。すでに男女の壁を飛び越えた以上、ツアー間の壁など取るに足らないものに違いなく、ひたすらファンにとっては楽しみな存在だ。

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