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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/4号
2005/9/28更新
会員が新たな中間法人案を出した木更津GC
管財人のGSスポンサー案と真っ向対立

 かつて日本経済新聞社系列業者が経営するゴルフ場だった木更津ゴルフクラブ(千葉)で、預託金償還問題を巡り、経営者と預託金証書の発行会社が、互いに互いの会社更生法を申請していた問題で、騒動勃発から3年を経て、漸く更生計画案が会員に提示された。


再建案が2分化した木更津GC

 ゴールドマン・サックス(以下、GS)をスポンサーとする管財人案と、中間法人を設立した会員側の案の2案が提示されており、10月4日開催の債権者集会でその可否が決まる。

 この問題は、本誌でも過去4回に亘って報じてきたが、まずは過去の経緯経過を大ざっぱに振り返っておこう。

 同GCの経営会社・株式会社木更津ゴルフ倶楽部(以下、KGC)の出資構成は、日経グループ70パーセント、地主の内房産業株式会社(以下、内房)30パーセント。

 歴代社長は全員日経出身だが、総額77億円の預託金証券の発行会社は、日経とは一切資本関係がない地主の内房。集めた預託金でコースを建設、施設を一括してKGCに賃貸する大家の立場。

 ゴルフ場経営で得るキャッシュはすべてKGCが握る一方、内房が施設の所得権とともに預託金という巨額の負債を抱える、極めて異例の契約形態になっていた。

 一連の騒動の発端は、今から3年前の平成14年10月に遡る。個人資産を切り売りしながら預託金償還に応じていた内房の山口社長が遂にギブアップ、前後で行っていたKGCとの話し合いがこじれ、KGCが内房の破産を申立てたことから両者の対立が激化。

 平成15年秋から暮れにかけて、KGCと内房双方が相手方の会社更生法を申請し合うことになった。

 しかし、昨年3月には両社に更正手続開始決定が下り、日経がスポンサーに就任、この段階では「預託金証書を内房が出していたことは、一連の騒動で気付いたことで、自分も含めて、もともと日経のコースなのだから、規定路線だと思って安心していた会員が殆どだった」(会員側が設立した中間法人の代理人であり、同GCの会員でもある槙枝一臣弁護士)

 会員を仰天させたのは、その半年後の昨年11月1日。突然管財人が、日経からGSへのスポンサー交代を発表、10月下旬に予定されていた更正計画の提出期限は今年4月28日まで延長されることに。

 大家である内房との交渉がこじれ、日経がスポンサーを降りたのである。

 同GCの会員に限らず、一般に収益の追求がシビアなスポンサーの傘下に入ると、「年会費はしっかりとられるのに、プレー権の保護など名ばかりで、ビジターの来場が増え、コースがパブリック化する」というアレルギーは会員権を持つゴルファーには強い。

 清川をはじめ。会員組織が自主再建を目指すケースが相次いでいるのは、その危機感の表れといえる。

「預託金以外に巨額の負債があるならともかく、内房もKGCも預託金しか債務がないのだから、基本的には預託金をカットすれば自主再建は可能。会員には何の相談もないまま、会員の意向を無視したGSとのスポンサー契約には疑問を感じる」(槙枝弁護士)

 のんびり構えていた会員もこのスポンサー交代で漸く結束、急遽中間法人への傘下に同意、更生計画案を作成し、管財人側と同じ4月28日、提出にこぎつけた。

 その後、約3カ月に亘って主に資金面を中心に、中間法人側の計画案が、裁判所専任の調査委員から綿密な調査を受け、8月下旬、ようやく会員の元に2つの計画案が届けられた。

 すでに書面による投票が開始されており、槙枝弁護士は「現段階で40パーセント超の賛同が得られていることを確認しているので、勝利を確信している」という。

 双方の計画案は、KGC、内房の両社を合併させて、その株式を取得するという点では同じだが、弁財条件はGS側が退会会員が80パーセントカットで残りは10年据え置き。

 会員側は、継続、退会を問わず90パーセントカットで残りをKGC、内房の合併日から2カ月以内に一括払い。

 継続会員は中間法人への入会金(正会員40万円、平日20万円)との相殺があり、預託金額面によって追加負担の有無には差が出るが、「会員の自主運営が決まったコースは名称再開前から相場が上昇を始める」(ゴルフ会員権業者)というセオリーもあり、カット率ではGS有利だが、投票にどう影響するのかという点でも、10月4日の結果は注目に値するだろう。

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