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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/6号
2005/8/31更新
年頭からSLEルールに振り回されたが
ゴルファーの人気は高反発が依然上位

「10月のサムソンワールド選手権にミッシェル・ウィは、アマチュアとして参加すると思うか? それともプロになっていると思うか?」インターネット上で、こんな投票が行われている。
 実はアメリカのゴルフウィーク誌が、この試合の直前にウィが16歳になることからプロ入り宣言をするのではないか、もしそうならすでにナイキが1000万ドルから1200万ドルの数年契約をするという噂が出ている、との情報を流したことから、論議を集めることになった。

ステージパパがいつも一緒

 米LPGAのプレーヤーになれるのは18歳からだが、プロ入り宣言をするのは、個人の自由。つまりLPGAではシード権を取ることは出来ないが、ノンメンバーとしてスポンサー招待枠で試合に出場できるので、現在の状況とたいして変わらないままプロ入りするという噂だ。

 もっとも、本人はまだプロ宣言についてまったく語ってはいない。先月に男子のアマチュアパブリックリンクスで順々決勝まで勝ち残り来年の出場権を得たことから、来年もこの試合に出たいと語っている。

 ウィの夢であるマスターズに出場するためには、男子アマの大きな試合に勝って出場権を得るのが、もっとも可能性が高いとされているので、プロ宣言をしてしまうと、その夢が消えてしまう。そのためゴルフウィーク誌の情報はあくまで噂に過ぎないという見方もある。

 しかし問題とされるのはウィの遠征費用で、アメリカの新聞等が報じたところによれば、今年はすでに10万ドル(1100万円)超える経費がかかっているという。

 まだ15歳のウィは、「誰かが隣に乗っていれば、運転する許可をもらっている」とは言うものの、一人では車でコースに行けない年齢なのだ。つまり親の同伴が常に必要で、最低二人分、ときにはキャディの費用まで出さなければならない。

 それではハワイ大学と毎年9カ月契約している父親の給与だけではやってゆけないのではないか? といった疑問の声も出てくるのも当然だ。

 ウィとナイキの間に何らかの繋がりがあることは事実のようで、今年、ウィが出場した試合ではナイキの人間が何度もウィと行動を共にしているのが目撃されている。

 例えばウィの父親がナイキの社員になったり、あるいは何らかの契約をして給与のような形で遠征費用を出してもらっていることも考えられる。

 タイガー・ウッズがアマチュア時代、父親がIMGのスカウト要員として社員になっていたように、父親が給与をもらう分にはアマチュア規定には引っかからないからだ。

 そもそもウィの場合、そこまでしてアマチュアでいる必要があるのか? という疑問も湧く。というのもプロゴルファーを育てるには、どの国でも金がかかり過ぎからだ。

 例を挙げると、先のジョンディアクラシックで初優勝したショーン・オヘアと彼の父親との不和が米国で話題になっている。その原因は、オヘアが稼いだ金額の10パーセントを父親に支払うという内容の契約書が存在したことだった。

 オヘアは父親の意にそぐわない結婚をしてからというもの、すでに3年以上も父親と口を利いていないという。

 父親にすれば、お金をかけて大切に子供をプロゴルファーに育てあげたのだから、息子から金を受け取るのは当然、といった意識があるのだろう。自分の生活を削ってまで、子供のゴルフにかけてしまったこの親子の悲劇なのかもしれない。

 ところでウィだが、8月8日に米国の人気TVトーク番組のデビット・レターマン・ショーに出演した際、「ゴルフばかりしていて、学校ではちょっと浮いてしまった。飛距離ももっと伸ばしたいので、今は練習に夢中。将来はタイガーと同じスタンフォード大学に行きたい」と話していた。

 プロ宣言すれば、タイガーのように破格の契約金が入るのは確実だが、15歳の少女にはまだ、お金よりも夢のほうが大事なのかも。

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